1952年の黒澤明監督の名作が、70年の時を経てカズオ・イシグロの脚本でイギリス映画として復活。
ごく若い頃に観た黒澤作品は大筋だけ覚えているが、詳細は綺麗に忘れて鑑賞しました。
1953年、第二次世界大戦後、復興途上のロンドン。
ウィリアムズ(ビル・ナイ)は役所の市民課に勤めるお堅い公務員。
妻に先立たれ、同居している息子夫婦とはあまりしっくり行っていない。
役所では山積みの書類の下で、情熱もなく淡々と事務処理をし、陳情を受けても他の課に廻すだけ。
そんなある日、癌で余命半年と宣告され…
あまりにも有名な黒澤作品が、どんな風にリメイクされるのか楽しみにしていました。
戦後でありながら綺麗なロンドンの街並み、郊外のみずみずしい緑。
山高帽にピンストライプのスーツにこうもり傘、いわゆる英国紳士のウィリアムズ。
陳情に訪れる婦人たちも、綺麗にドレスアップしている(黒澤作品では、普段着の着物姿の主婦たち、その一人は菅井きんだったような…)。
この辺は、戦勝国と敗戦国の違いでしょうか。
そして陳情のたらい回し案件や、人の手柄を上が平気で横取りする役所の体質は、洋の東西を問わないのかと驚きました。
前作については大筋でしか覚えていないのですが、とても重く切ないイメージであったような。
それに比べて本作は、最後に希望の光もあり、少し軽やかに、さわやかになったような気がします。
それでも、生きるということの普遍性を問いかけた作品であることに何ら変わりはない。
余命宣告を受けて初めて自分の「生」に向き合った男が、何をしたのか?
最後のブランコに揺られるシーンで彼の顔に浮かんだのは、微笑みだったのか悲しみだったのか?
ここで泣かせよう!というあざとさはなく、思ったほどの感涙はありませんでしたが、
ラストの若い警官とピーターとの会話のシーンにじんわり来ました。
公式HP
https://ikiru-living-movie.jp/
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