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2023年01月17日20:08

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【読書】 最近読んだ本 備忘禄

最近読んだ本の、備忘的メモ。

●「オオクニヌシ 出雲に封じ込められた神」 (戸矢学著、河出書房新社)

日本神話に登場するオオクニヌシは、スサノオの子孫であり、因幡の白兎の話などが有名で、国譲りと引き換えに出雲大社に祀られることとなったとされる。この話の真意は何だろうということを探り、綴ったのがこの本である。そこには新興国家ヤマトとの抗争に破れて三輪の地を追われ、辺境の出雲に追いやられた出雲の民という背景があるという。「古事記」に詳細に書かれている出雲神話が、「出雲風土記」には書かれていないなど、不自然なところがあることから解き明かし、「出雲神話」と「出雲の神話」は別物だと結論付けている。新たに支配者となった者が都合よく話をつなぎ合わせたりしたから、「古事記」と「風土記」で辻褄が合わないのである。他にはない独特の視点で考察されているが、なかなか興味深い話である。


●「バッハ=魂のエヴァンゲリスト」 (磯山雅著、講談社学術文庫)

クラシック音楽を聴くのは好きだが、後期ロマンから近現代あたりが好みで、あまりバロック時代の音楽には詳しくないのだが、ヨハン・セバスチャン・バッハは比較的聴いている方である。そこで、バッハに関する本をなんとなく手に取って購入した。この本は、バッハの生涯をたどりつつ、バッハの音楽が、時代も国も宗教も超えて、三百年の時を経てもなお、なぜ人々の心に深い慰めをもたらし、人生への力強い肯定を語るのかを、じっくりとその音楽の本質と魅力を解き明かしつつ綴った本である。この本を読むと、じっくりとバッハの作品を聴き直してみたくなった。


●「最後の封印」 (今野敏著、徳間文庫)

HIVウィルスの進化形に感染した母親から生まれた子供は、「ミュウ」と呼ばれ、生まれながらに特殊能力を有する。ミュウは人間なのか、それとも人間から「進化」した新種なのか。彼らを抹殺しようとするミュウ・ハンター。そのミュウ・ハンターと戦う特別防疫部隊と呼ばれる政府組織。そして、ミュウを守ろうとする女性科学者に、これらの事情を取材しているジャーナリスト。誰が正しくて誰が正しくないのか、誰が敵で誰が味方なのか。様々な人間関係が複雑に絡み合い、あれこれと駆け引きがなされる。荒唐無稽な話と言ってしまえばそれまでだが、そこはエンタメ小説、楽しく読んだ。


●「信長鉄道 関ケ原を越えて!」 (豊田巧著、ハルキ文庫)

先日読んだ「信長鉄道」の続編。国鉄民営化のまさにその瞬間、国鉄名古屋工場ごと戦国時代にタイムスリップした国鉄職員らは、信長と組んで鉄道を建設した。その鉄道のおかげで桶狭間で今川軍に勝利し、美濃への足掛かりも出来た。その続きがこの本。家康と同盟を結び、さらなる勢力拡大を図る信長の前に立ちはだかるのは、斎藤龍興の稲葉山城。「国鉄」は信長に協力し、レールを作るための製鉄技術を利用して、強力な大砲を作り上げる。さらに、北陸への線路延伸で日本海進出を図る「国鉄」と信長。妹のお市も「国鉄」に乗って浅井長政に輿入れ。しかし、浅井と信長の同盟に亀裂が入る。絶体絶命の信長軍を救ったのは「国鉄」だった。今までにない長編成の列車で、全員を退避させることに成功したのだ。という、超エンタメ小説である。


●「絶対音感」 (最相葉月著、新潮文庫)

絶対音感という言葉に出会った著者が、音楽家や音楽関係者、科学者などにインタビューし、絶対音感とは何なのかを探っていこうとした本である。そもそも絶対音感は音楽家に必須の能力なのか。絶対音感を持っていることでどのようなメリットがあるのか、逆にデメリットになるようなこともあるのか。絶対音感は先天的なものか後天的なものなのか。いろいろ人の話を聞いていくうちに、ますます深みにはまっていったようだ。絶対音感とは、音を聴いてそれがどの音かが正確に分かること。しかし、そもそも音階を作る音律にも純正律やら平均律やらいろいろあるし、オーケストラの基準となるA音も、440Hzだったり442Hzだったりで一定ではない。結局、絶対音感はあってもなくてもかまわないということだ。
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