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2022年07月24日20:48

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【音楽】 オーケストラ・ニッポニカ演奏会 @紀尾井ホール

相変わらずの暑い日々だが、その暑さのピークの時間帯に出かけて四ッ谷に向かった。オーケストラ・ニッポニカの演奏会に行くためだ。

今日のプログラムは次のとおりである。

 ・古関裕而:交響詩「大地の反逆」
 ・早坂文雄:ピアノ協奏曲第1番
 ・芥川也寸志:エローラ交響曲
 ・芥川也寸志:交響管弦楽のための音楽

   指揮:鈴木秀美/ピアノ:務川慧悟
   会場:紀尾井ホール (14:30 開演)

オーケストラ・ニッポニカは日本人作曲家の作品を主なレパートリーとするオーケストラで、今年は設立20周年記念として3回にわたって連続演奏会を開催する。今日はその第一回だ。演奏会の前に楽団代表の加藤さんの挨拶があった。オーケストラの設立は2002年ということだが、もっと以前からやっていたと思っていた。意外と新しいオーケストラだったのだ。

さて、演奏会は古関裕而の「大地の反逆」から始まる。今日のプログラム中で唯一初めて聴く曲だ。楽しみである。古関は歌謡曲、軍歌を経て、行進曲や応援歌というイメージがあるが、いわゆる「クラシック」をもともと指向しており、この曲も19歳の頃、銀行勤務の頃の作品ということらしい。まだ若書きの粗さはあるものの、作曲家を目指す青年の意気込みが感じられる作品ということで、実際聴いてみると、なかなか面白いのである。なにやら不気味な雰囲気は、大地が「反逆」をしようと蠢いているようで、数年前におこった関東大震災が関係しているという話があるのも分かる。時に荒れて、時に静まり、最後は全合奏の強烈な一打で終わる。次に聴く機会はなかなかないと思うので、今日はこれが聴けただけでも大きな収穫だ。

続いては早坂のピアノ協奏曲第1番だ。第1番となっているが、第2番以降は存在しないので、単に「ピアノ協奏曲」とだけいうこともある。これを生で聴くのは2回目くらいか。前に聴いた時は、CDで聴いた限りではよく分からなかったが、生で聴いたら素晴らしい曲だと気付いたというようなことを書いたが、今日はすでに素晴らしい曲だと思って聴くのである。

第1楽章の長いLento楽章と賑やかな第2楽章が「木に竹」な感じで、何がなんだかというのが第一印象だったのだが、もともと「2つの楽章には内容的に全く関連なく、第1楽章の発展が第2楽章ということもない。ただ2つの主題のコントラストを意図して2つのテーマを選んだ」と早坂自身が解説しているとおりなのであった。それが分かって聴くと、なんと素敵な第1楽章であることか。ピアノの務川も、実に美しく弾いて、聴きながら引き込まれていく。ピアノとオーケストラもしっかりと合わさっていた。第2楽章は早めのテンポで軽快に響き、最後まで堪能することが出来た。

このあとは、アンコール演奏があった。早坂のピアノ曲を演奏するのかなと思っていたらそのとおりで、「室内のためのピアノ小品集」より、第12曲と第14曲だ。素朴な中に味わいのある小品で、一瞬「君が代」のようにも聞こえる第14番など印象的だ。日本人作曲家のピアノ曲を聴く機会も多いとはいえないが、実はこのような演奏会のソリスト・アンコールで結構聴いているような気がする。

さて、休憩のあとは芥川の名曲を2曲だ。すでに何度か聴いている馴染みの曲だが、やはり何度聴いてもいい曲である。「エローラ交響曲」は、インドのエローラ石窟院からインスピレーションを得て作曲された。荘厳な雰囲気で始まり、静かなレント楽章と激しいアレグロ楽章が入れ替わりながら出てくる。静と動の対比が激しく、動では打楽器は鳴りまくり、弦はうねり、管は吠える。圧倒されるような凄まじい感覚が伝わってくる。そしてその対比が最後は見事に調和するのである。一から積み上げていく合理的なヨーロッパの建造物ではなく、岩山を削り出して造っていくアジアの建造物である。すなわち、この曲も、積み上げていくのではなく、削り出していく音楽なのである。

最後は「交響管弦楽のための音楽」で、第2楽章では芥川節が炸裂する。伊福部の影響も感じられるような曲で、主題動機を執拗に繰り返しながら、終始賑やかに盛り上がって終わる曲で、演奏会の最後にこれを持ってくることで、全体を華やかに締めくくることが出来るのである。

日本人作曲家の作品にも素晴らしいものが多いが、演奏機会があまりない作品も多い。そのような中、このように日本人作曲家を専門に扱うオーケストラが、すでに20周年を迎えたことは、喜ばしいことである。このオーケストラの演奏会に行く機会は多いと思うので、これからも楽しみだ。
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