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2019年07月16日21:08

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【読書】 最近読んだ本 備忘録

最近読んだ本の備忘的メモ。

●「太陽は地球と人類にどう影響を与えているか」 (花岡庸一郎著、光文社新書)

太古から変わることなく輝き続けている太陽...ではなく、実は太陽は常に変化しているのである。そして、その変化が地球上の人類や社会、現代のインフラに少なからぬ影響を与えているのだ。太陽表面のフレアと呼ばれる爆発が起きると、人工衛星や通信、送電などにも影響が出る。太陽からは光と熱だけではなく、高エネルギー粒子も地球にやってきているのだ。そもそもなぜ太陽面で爆発が起きるのか、それがなぜ地球に影響を与えるのか、それが地球に引き起こす「災害」を防ぐための「宇宙天気」研究とは何か等、興味深い内容だ。


●「忍法相伝73」 (山田風太郎著/日下三蔵編、戎光祥出版)

日下三蔵氏による「ミステリ珍本全集」のうちの一。すでにこのシリーズは6冊を読んでいるが、ようやくシリーズ第1巻を読んだ。あとがきにシリーズの主旨、「お行儀のいい名作は入らないが、破天荒なパワーに満ちた珍作、怪作を発掘する」が書かれているが、まさにその主旨通りの作である。山田風太郎は、ミステリ小説、時代小説など作品も多く、中でも忍法帖シリーズは人気だったらしいが、この「忍法相伝73」は、その中でも異色の珍作だ。忍者の末裔である伊賀大馬は、運送会社に勤めるサラリーマン。ある時、実家にあった得体の知れぬ巻物を紐解くと、不思議な現象が現実のものになり、周囲の人を巻き込んでの珍騒動を引き起こす。ナンセンスなユーモア、ドタバタ珍喜劇、あまりのバカバカしさに、つい読み耽ってしまう。作者自身で低評価を付けたような作品だが、こういうのも埋もれさせておくことはないだろうというのが、このシリーズだ。このあとに収められている短編ミステリ9編は、同じ作者とは思えぬ、独特の雰囲気がある面白い作品なのだが。


●「世にも美しき数学者たちの日常」 (二宮敦人著、幻冬舎)

数学とは直接かかわりのない人にとって、数学者とはどのような人に見えるのだろうか。浮世離れした変人で、頭の構造が異なり一般人とは会話がかみ合わない、こんな偏見をもっているとすれば、それは間違いであることを、実際に何人かの数学者に会って取材して分かってきたという著者。数学者は真理の探究のために飽くなき努力を惜しまない。新たな発見が正しいことが証明されるまでに何百年もかかることも珍しくない。他の分野の学問とは時間感覚が違うのである。一見不可解な数式も、意味が分かれば誰でも納得できる。そして視点を変えれば、また新たな発展がある。私自身も大学と大学院で数学を専攻したこともあり、本書の内容には頷けるところが多い。


●「宇宙と宇宙をつなぐ数学 IUT理論の衝撃」 (加藤文元著、角川書店)

数学の超難問未解決問題の一つである「ABC予想」を、望月京大教授が解いたというニュースは一般記事にもなった。意味は誰にでも分かるのに、それを証明するのは困難極まるという問題が数学には多い。その「ABC予想」を解決に導いた「宇宙際タイヒミュラー(IUT)理論」について、その理論を発表した望月教授と親しい著者が、なるべくイメージがつかみやすいように解説した本である。そもそも「IUT理論」は、従来の数学の枠をはみ出した、全く斬新で独創的なものであり、これを完全に理解している人は、世界に何人もいないという。自然数の「たし算」や「かけ算」なら小学生でも理解できるが、これとは全く別の数学の舞台を作り出し、その間の限られた「通信手段」を用いて計算方法を伝授して、「不安定」や「歪み」を評価する、ということになるらしい。ついでに、著者の加藤教授は上記の「世にも美しき数学者たちの日常」にも登場する。
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