冷たい風が吹く12月。第1週は12月とは思えぬ20度超えの日もあったが、その後急速に寒くなってきて、本格的な冬の到来を告げた。そんな寒い日も、家の中は暖かい。まして、田舎の静かな土地で、家族に囲まれて、家そのものが芸術のようなところで生活していればなおさらだ。
今日はそんな画家、カール・ラーション展に行ってきた。カール・ラーション(1853-1919)は、スウェーデンの画家で、ダーラナ地方に「リッラ・ヒュットネース」と呼ばれる家を入手して、妻カーリンとともに理想の家に改装し、多くの子供たちとともに過ごした。ラーションの絵は家族が題材となった水彩画が多く、温かみのある作風である。
実は、宣伝ポスターになっているラーションの「アザレアの花」に見覚えがあったのだ。「あっ、この絵は...」という訳で、ほとんどそれにつられて損保ジャパン日本興亜美術館へいった。ビルの42階にある美術館だ。
(損保ジャパン日本興亜ビルの入口)
ラーションの作品をじっくりと見るのは初めてで、「アザレアの花」(ここで描かれている女性は、ラーションの妻カーリン)だけでなく、家庭や子供たちも多く登場し、まさに「スウェーデンの暮らしを芸術に変えた画家」という訳である。ラーションは日本びいきであり、「日本の芸術こそ唯一の芸術である」と讃え、浮世絵なども集めていたらしい。本人が日本に来ることはなかったが、作品には日本画のスタイルから影響を受けたところもあるという。「アザレアの花」もその一つらしい。見るものを圧倒するような「大芸術作品でございます」というような作品ではなく、見ていてホッとするような作品ということだろうか。
妻カーリンもテキスタイル作家として活躍しており、カール・ラーションの絵に続き、カーリンの作品も多く展示されている。夫妻でデザインした家具などもあり、スウェーデンのインテリアにも深い影響を与えたのがラーション夫妻である。家具メーカのイケヤが「リッラ・ヒュットネース」をイメージして現在の部屋で表現したものというのがあって、そこだけ写真撮影可なので撮ってみた。
(イケヤによる「リッラ・ヒュットネース」のイメージ)
この美術館所蔵の、ゴッホ「ひまわり」、ゴーギャン「アリスカンの並木路、アルル」、セザンヌ「りんごとナプキン」も見たが、今日はこれらは脇役なのであった。
ゆったりと穏やかな気分になったカール・ラーション展であった。
なお、エミール・ギレリスによるグリーグ抒情小曲集のCDジャケットに、ラーションの「アザレアの花」が使われている。実はこの絵にピンときたので、今回の展示会に行ったのである。このCDを改めて聴くと、ラーションの絵のイメージに合っていると思う。
(グリーグ抒情小曲集/ピアノ:エミール・ギレリス)
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