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2018年05月05日22:19

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【アニメ】 わんぱく王子の大蛇退治 (1963年、東映)

まだ2日間も休みがあるのか、そろそろ休みも飽きたという5月5日。休みの間もそれなりにやることはあったのだが、基本は休息日。今日は、先日注文したDVDが届いたので早速観た。

「わんぱく王子の大蛇退治」というアニメ映画である。先日4月28日の伊福部昭百年紀演奏会で、その音楽を聴いたが、これはアニメ作品の方も観たいと思い、幸いDVDが入手可能だったので購入したのだ。1963年公開と55年も前の作品だが、観終わっての感想は「こんな素晴らしい良質のアニメがあったんだ!」に尽きる。

内容は日本神話に基づく、スサノオを主人公にした冒険物語である。以前より「古事記」については何度か触れ、「古事記は日本人の心のよりどころ、古事記は日本人必読の書である」と書いてきたが、このアニメを観ても改めてそう思った。

もちろん、内容は「古事記」の記述そのままではなく、基本は崩さずに、ストーリーを膨らませている。イザナミが黄泉の国に旅立ったと聞かされたスサノオは、「母の国」を目指して旅に出る。海では怪魚と戦い、ツクヨミが治める夜の国(「古事記」ではツクヨミに関する記述はわずかしかない)、火の神が支配する火の国(「古事記」では、火の神こそがイザナミの死の原因)を訪れる。火の神と戦い、改心した火の神よりアメノトリフネをもらって、それに乗って高天原を目指す。

高天原でアマテラスに会いここにとどまることになるが、さんざん騒動を起こして、ついにアマテラスは天の岩戸に隠れてしまう。世界は闇に包まれ、悪神がはびこる。そこで一計を講じたオモイカネ。アマノウズメの陽気な踊りに釣られて、不審がるアマテラスがそっと岩戸を開けたところで、「あなたに代わる尊い方が来られたのです」と鏡を差し出し、アマテラスは自身の姿を見る。そのすきにタヂカラが岩戸を開ける。再び光がよみがえった。このあたりは「古事記」でも有名な箇所だね。

このアマノウズメの踊りの場面は、まず伊福部昭が音楽を作り、それに合わせてダンサーが踊り、それを絵にしたのだそうだ。このアニメの音楽の中でも最も力を入れたところだというのも納得だ。全編を通して、常に音楽が流れているようで、伊福部音楽の集大成という感じである。(どこかで聴いたことのあるメロディーも多い。) アニメは実写に比べて情報量が少ないが、それを補うことが出来るのが音楽であるという。全くそのとおりだ。音楽がなければ、単調なアニメになっていたかもしれない。

さて、高天原を出ることになったスサノオは、出雲の国に降り立ち、クシナダヒメと出会う。そこでヤマタノオロチの話を聴き、酒を用意してオロチを酔わせ(これも「古事記」のとおり)、見事に退治する。8つの頭を1頭ずつ倒していく場面は、このアニメのクライマックスだ。

倒されたオロチは、美しい川へと姿を変え、周囲が美しい風景に変じていく。スサノオの求めていた「母の国」、平和で美しい、豊かな、幸せの国とは、ここのことだったのだ。


子供の頃、日本神話に関する話のいくつかを絵本などで読んでいる人は多いはず。少なくとも自分の子供の頃はそうだった。今の子供も日本神話に触れているだろうか。日本という国がある限り、絶やしてはいけないことだと思う。

世界の神話は多々あるが、大抵は全てを統べる最高神は男神である。それも戦いの末に勝ち取った地位であったりする。それに対して、日本神話のアマテラスは生まれながらにして最も尊い女神である。母としての慈悲の象徴なのである。

音楽がきっかけで、素晴らしいアニメに出会えた日であった。


企画:吉田信、高橋勇、飯島敬
脚本:池田一朗、飯島敬
動画監修:山本早苗
原画監督:森康二
美術:小山礼司
音楽:伊福部昭
演出:芹川有吾
声の出演:住田知仁、岡田由記子、久里千春、山内雅人、川久保潔、木下秀雄、巌金四郎、ほか
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