先日部屋を少し片付けていたら、こんなものが出てきた。「日本最北端宗谷岬到達証明書」である。木で出来た立派なお札である。
宗谷岬に行ったのは平成3年11月5日。26年も前のことである。文化の日に休暇を付けて、オフシーズンの北海道旅行を楽しんだのだった。
日本最北端といっても、少し注釈が必要だ。一般人が通常の交通手段で訪れることが可能な最北端というと正確である。宗谷岬は北緯45度31分22秒。宗谷岬の沖に弁天島という島があり、こちらが北緯45度31分35秒で、さらに北にあるのだ。では弁天島が最北端かというと、それも正確ではない。日本が領有権を主張している最北端は、択捉島のカモイワッカ岬である。北海道蘂取郡蘂取村に属する。こちらは北緯45度33分28秒で、本当の最北端だ。しかし、択捉島他北方領土は、ロシアが実効支配している。
いずれにせよ、「最北端」に行ったことには変わりない。前日の夜に稚内に泊った。稚内駅はホームが1面だけの寂しい駅であるが、駅を出ると稚内は意外と大都会なので驚いた。最北の都市である、翌朝、バスで宗谷岬に向かったのだが、11月といえば関東では薄手のジャケット程度で十分なのに、ここは半端なく寒い。宗谷岬に長い時間立っていることが出来ず、土産店の「柏屋」に逃げ込んだ。ここで買物をするともらえるのが、この「到達証明書」である。とにかく寒い。気温は氷点下何度だったか覚えていないが、11月の北海道を侮ってはいけない。
この旅行では、北海道最東端のノサップ岬にも行っている。翌日の11月6日だ。根室駅からバスで行った。根室は寂しい町で、稚内よりも最果て感があった。ノサップ岬は東経145度48分59秒。離島を含まない本土の最東端である。日本最東端は南鳥島の坂本崎であるが、こちらは海上自衛隊と気象庁の職員、および関係者のみが上陸可能である。
ノサップ岬では、北方資料館に行った。ここから北方領土が見えるのである。すぐそこに見える我が国の島なのに、渡航が自由に出来ないというのはおかしいと、このように間近で見ることで強く実感できる。ここで署名をすると、「北方領土視察証明書」をくれる。
11月の根室市は夜が早い。15:00を過ぎると暗くなりはじめ、16:00頃にはすっかり暗くなった。東の果てに来ていることを実感したものである。
11月の北海道は関東とは違う。この旅行の中で、今はなき深名線にも乗ったが(客は深川付近の一部区間を除き、私1人!)、この道中でパラパラと雪が降ってきたなと思ったら、あっという間に積もったのである。さすが豪雪地帯を行く路線である。誰も乗っていない、沿線に何もない、外はただ雪だけが降るという、1両だけのディーゼルカー。いくらオフシーズンとはいえ、心細すぎる。この時は早く札幌に行きたいと思ったのであった。深川から札幌行きの特急に乗ったらホッとした。
以上、発掘された「証明書」から思い出を綴ってみた。
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