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2017年03月20日12:52

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【散策・鉄道】 可部線延伸 あき亀山へ

3連休の2日目は暖かい日になりそうだ。明日は春分の日だ。今日ははるばる広島まで行くことにした。3月4日に可部−あき亀山が延伸された可部線に乗ってみようと思ったのである。可部線だけが目的なので、日帰りで十分だ。新横浜発7:29の「のぞみ9号」で広島に向かう。新横浜から3時間39分で広島に着いてしまう。これでは飛行機で行く気がしない。広島空港は広島市の中心地からバスで1時間もかかり、飛行機を使っても時間的メリットはほとんどない。

久しぶりの広島だが、改札の外には出ず、可部線のホームに向かう。延伸された区間を含む可部線全駅が広島市内にあるので、広島市内行きの切符でそのまま乗れるのだ。可部線はかつて可部から先の三段峡まで線路が通じていた。横川−可部は電化されており本数も多い都市近郊路線だが、可部−三段峡は非電化で本数も少ない山奥のローカル線で、2003年12月1日に可部から先の非電化区間が廃止された。しかし、可部の一つ先にあった河戸駅付近までは市街地が続いており、可部−河戸の復活が地元から切望されていた。それ以前に、電化区間の河戸延伸も前から望まれていたが、沿線の実情を無視した形で、非電化区間を廃止するという形になった。その一旦廃止された区間が復活する訳で、JRとしても初めてのケースだ。ただし、河戸駅は復活せず、その旧河戸駅をはさむように、河戸帆待川、あき亀山の2駅が新設されたのである。

広島駅の各ホームには、赤い新型車両227系、愛称「レッド・ウィング」が停まっている。少し前までは、国鉄時代の車両が現役バリバリだったのに、急速に新型車両に置き換わったようだ。それにしても、赤い車両とは、いかにも広島らしい。

さて可部線だが、こちらも「レッド・ウィング」が来るのかと思ったら、11:28の電車は国鉄時代の車両111/113系の4両編成だった。まだ国鉄時代の車両も残っているようだが、折角「レッド・ウィング」に乗れると思ったのに、古い車両とは残念だ。車内はかなりの乗車率で、都会の電車だ。可部線はさびれたローカル線ではない。本数も20分に1本あり、単線の路線としてはかなり本数が多いといえるだろう。可部線は正確には横川から先で、広島から横川までは山陽本線を走る。広島の次が横川かと思っていたら、いつの間にか新白島という駅が間に出来ていた。アストラムラインとの乗り換えの便を図るために最近出来た駅のようだ。横川の手前で山陽本線の線路と分岐し、横川は可部線専用のホームになる。

横川からは可部線だ。久しぶりの乗車である。沿線は広島郊外の風景が続き、駅間も短く、駅もこぢんまりとしたものが多く、JRというよりは地方私鉄に乗っているような雰囲気だ。三滝で早速上り電車との行き違いがあるが、上り広島行きは「レッド・ウィング」だった。このあと、古市橋、梅林でも行き違いがあったが、いずれも「レッド・ウィング」である。「レッド・ウィング」は可部線にも投入されているのだ。上八木を過ぎると太田川を渡る。この太田川を挟むように、可部線と芸備線が接近しているところがあるのを思い出す。梅林、上八木のあたりだ。可部駅では、紫色に塗られた「サンフレッチェ」の115系とすれ違う。自分が乗っている車両以外にも国鉄型は残っているようだ。「広島は野球のカープだけではない。サッカーのサンフレッチェも忘れるな」と、派手な塗色の車両でアピールしているのだろうか。

可部駅は、行き止まりホームは線路が撤去されていた。少し前まで無用のホームだった先に進む線のホームが復活し、さらに上下交換できるよう下りホームも新設されていた。可部も終着駅から途中駅に変わった訳だ。ここを過ぎるといよいよ延伸開通、というより旧線復活の区間だ。大きく左にカーブすると河戸帆待川だ。このあたりまで市街地が途切れることもなく、「河戸までの復活」は妥当であることがよく分かる。河戸帆待川を過ぎると、旧河戸駅のあたりを過ぎる。旧河戸はホームも撤去されて跨線橋だけが残っていた。旧河戸駅を過ぎると間もなく終点のあき亀山だ。廃止された区間に安芸亀山という駅があったが、その駅はもう少し先で、今回開業した駅は別なので、紛らわしくならないよう「あき亀山」と、「安芸」ではなく平仮名表記にしたという。

あき亀山駅前は寂しい感じで、駅だけは新しいがちょっと意外だった。駅も無人だ。広島郊外の市街地が途切れたその先があき亀山駅のようだ。近くの住宅地のための駅だが、駅前もこれから発展するだろう。あき亀山から先の線路はすでに撤去されているが、まだ廃線跡とはっきり分かる痕跡がある。さらに奥まで発展すると復活開業の可能性もあるだろうか。しかし、ここからは一気に「山奥のローカル線」になっていたので、当面はないだろう。正午を少し過ぎており、あき亀山駅付近で昼食をと考えていたが、どうやら食事が出来そうな店はなさそうだ。そのまま可部線で戻るのも面白くないので、河戸帆待川まで歩くことにした。歩いても10分もかからないはずだ。

少し歩くと誓立寺というお寺があり、商店も見え始める。周りには「祝JR可部線電化延伸開業」の幟があちこちに見える。このあたりが旧河戸駅で、まさに旧河戸駅が都市近郊市街地の切れ目であることがよく分かる。間もなく河戸帆待川駅に着いた。帆待川は、神武天皇の日向から大和への遠征の途中立ち寄ったという伝承があり、聖なる川とされているため、駅名にも入れたのだろう。仮称は「新河戸」だったが、これではたしかに味気ない。河戸帆待川駅付近は商店もそこそこあり、駅から少し歩くと安佐北区の中心地に近いことも分かっているが、駅周辺で何か食べようと思うと、なぜかみんな閉まっている。中には「第三日曜日定休日」と書いているところもあるが、今日はまさに第三日曜日だ。月に1回の定休日の日にたまたま当たるとはついていない。仕方ないので、再び可部線に乗ることにした。可部線の駅は、他には可部と大町しか降りたことがないので、ぶらり途中下車の旅もいい。

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(あき亀山に到着した可部線)

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(あき亀山駅)

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(可部線の廃線跡)

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(誓立寺)

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(祝JR可部線電化延伸開業)

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(河戸帆待川駅)

次に来た広島行きの電車は「レッド・ウィング」だった。広島の新しい車両で、気分的に乗り心地も良いように感じた。可部を過ぎ、中島を過ぎ、太田川を渡って上八木を過ぎ、どこで降りようか迷っているうちに緑井まで来てしまったので、ここで降りる。さきほど車内から見た限りでは、沿線では駅前が一番栄えているように見えたからである。緑井駅前には大型の複合商業施設がある。「フジグラン緑井」である。その向こうが、天満屋、さらにコジマ+ビックカメラがある。フジグラン緑井の中のフードコートで食事をする。ここも混雑していた。地方都市の商業施設のフードコートは気の毒なほど空いている光景もよく見るが、広島はさすが大都市だ。ここで食事をしたあと、少し周囲を歩いてみることにした。

可部線に沿って1駅くらい歩くのは、駅間も短いためちょうどいい散歩道だ。1駅戻るような形で七軒茶屋駅まで歩いていった。途中、グリコ乳業の工場などもある。中国四国唯一のグリコ工場で、緑井で半世紀も操業している、緑井の顔ともいえる工場らしい。安佐南区佐東出張所のところを曲がると七軒茶屋駅だ。こちらは緑井駅に比べると、小さな途中駅という趣だ。緑井は有人駅だが七軒茶屋は無人駅だ。駅前に「トイレは旧駅のを使用せよ」との貼紙があり、数十メートル可部側に行ったところにトイレがあった。旧駅のあたりは自転車置き場になっていたが、わざわざ駅を少しだけ移転した理由は不明だ。

広島行きの電車に乗車する。最初に乗ったのと同じ、旧国鉄型の111/113系だ。もう1駅くらい降りてみようと思い、特に理由はないが、下祗園駅で降りてみた。可部線はICOCAが使えるので、持っているSuicaでも乗り降り出来る。気まぐれな途中下車にはICカードは便利である。下祗園駅周辺は普通の郊外の住宅街という感じで、特に珍しいものがある訳ではなさそうだ。駅前には商店もあり、マンションなども立ち並び、ありふれた光景である。再び可部線に乗って、広島に向かう。「レッド・ウィング」だ。横川で9分も停車するという。ここから先は山陽本線に合流し複線になるのに、なぜ9分も停まるのだろう。山陽本線の上りを先に通すのかなと思っていたら、貨物列車が通過していった。貨物列車の通過待ちをしていたのだ。広島駅に戻り、可部線の旅も終了である。

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(緑井に到着したレッド・ウィング)

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(緑井駅)

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(フジグラン緑井)

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(七軒茶屋駅)

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(下祗園駅)

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(横川に停車中のレッド・ウィング)

まだ帰るには時間があるが、連休中で混雑しそうなので、早めに帰りの新幹線の切符を買っておく。2時間後の17:17発「のぞみ48号」の指定席を確保したところで、あと2時間をどう過ごすかは、広島に来たら必ず寄るあの店に行くしかない。広電の路面電車で銀山町に向かい、北欧音楽CD専門店「ノルディック・サウンド」に行くと、あとは店主と雑談しつつ、ついでに買物だ。1年に1回来るか来ないかなのに、こちらの顔も覚えていてくれて、「前にいらしたのはだいぶ前でしたね」なんて言われる。広島は暖かいですねという話をしたら、ここにきて急に暖かくなったそうで、広島だけが暖かい訳ではなさそうだ。ステーンハンマルとベルヴァルドを各1枚購入した。「あれ? まだお持ちではなかったのですか」と言われたが、その「まだ持っていない」入手困難になってしまったCDが、さりげなく棚に置いてあるのである。この店で欲しいCDをさがしたら、たちまち20枚や30枚になってしまうが、今日は控え目に2枚だけとした。

広島駅に戻ると、駅周辺は「赤い人」が目立つ。今日はカープの試合が地元であるのだろう。オープン戦でこの熱気はすごい。カープファンでない私は早々に広島を脱出する。新幹線「のぞみ48号」で新横浜まで帰った。広島を出た時は明るかったが、新大阪に着く頃には暗くなり、新横浜には20:54の到着だ。ゆっくりと自宅に帰った。
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