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2017年03月12日20:05

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【音楽】 オーケストラ・ダスビダーニャ演奏会 〜ショスタコーヴィチ

今年になってから、ほぼ週1回のペースでコンサートに行っているが、今日もまた行った。オーケストラ・ダスビダーニャの第24回定期演奏会だ。このオケは、ショスタコーヴィチを専門に演奏するアマオケで、それだけに熱いショスタコーヴィチの演奏が期待出来るのである。ここ数回ご無沙汰だったが、今日はプログラムも魅力的なので久しぶりに行くことにした。

今日のプログラムは次のとおりである。

 ・ショスタコーヴィチ:ドレッセルのオペラ「哀れなコロンブス」のための序曲とフィナーレ
 ・ショスタコーヴィチ:交響曲第1番
 ・ショスタコーヴィチ:交響曲第12番「1917年」

   指揮:長田雅人
   会場:東京芸術劇場 コンサートホール (14:00開演)

いずれも生で聴くのは初めてである。ショスタコーヴィチの交響曲は、第5番はアマオケでも演奏される回数は多いと思うが、他の番号は意外と少ないのではないか。それは、演奏が難しいし、聴く方も難解な部分があるということだろうか。しかし、このオケはどの番号も何度か演奏している。

1曲目は、生で聴いたことがないどころか全く初めて聴く作品だ。こんな作品がプログラムに載るのも、このオケならではであろう。ドレッセルの作曲したオペラ「哀れなコロンブス」は、あのコロンブスを、英雄的にではなくコミカルな冒険劇として描いたものらしいが、ドイツからソ連にスコアが送られた際にいくつかの楽曲が欠如しており、催促するも一向に届く気配もなく上演に間に合わないので、ショスタコーヴィチに補作を依頼したものだという。

これが聴いてみると実に愉しい。いきなりシンバルの強打で始まり、オーケストラが大音響で鳴り響くと、次々といろいろな旋律やリズムが飛び出し、聴いている者を飽きさせない。フレクサトーンという珍しい楽器も大活躍である。もとのオペラは全く知らないが、それはどうでもよいような(?)、紛れもないショスタコーヴィチの音楽が全開だ。どこかで聴いたようなメロディーも出てきて面白い。それにしても凄まじい演奏。鼓膜が破れそうな大音響だ。最後の方は、管楽器と打楽器だけになり、弦楽器は出番がなくなったかと思いきや、コンサートマスターが立ち上がり、続いて弦楽器奏者が順番に立ち上がり、客席に向かって最敬礼。これは何の演出なのだろう。コロンブスというよりは、「スターリンの乗った飛行機を見送るような最敬礼」らしいのだが...。

2曲目は交響曲第1番だ。若きショスタコーヴィチが、レニングラード音楽院の卒業制作として作曲したものだが、すでにショスタコーヴィチのカラーが出ている魅力的な作品だと思う。ショスタコーヴィチの交響曲は、どの奏者にも無茶なアクロバティックな動きを要求される、咆哮と静寂のギャップが激しい、長いソロがある、どこか見下したようにも取れるシニカルなメロディーがある、そして打楽器が活躍する、というイメージがある人が多いという主旨がプログラムの解説にもあるが、それが、第1番にてすでにみんな入っているのである。その上ピアノも絡んでくる。このピアノが出てくる第2楽章が好きで、この曲が気に入っているのだが、そんなショスタコーヴィチの魅力を全部詰め込んだような作品を、余すところなく聴かせてくれた。それにしても、大音響で鳴り響くところの凄まじさはすごい。ショスタコーヴィチの交響曲はこうでなくちゃ、というような大音量ということなのだろう。素晴らしい演奏だった。

休憩のあとは第12番だ。「1917年」というタイトルから分かるように、ロシア革命を題材にした作品である。そして、今年はその革命からちょうど100年という訳だ。史上初の社会主義国家ソ連が、100年後を待たずに崩壊するとは、当時は予想していただろうか。そういう話は置いておき、純粋に音楽を楽しむとすると、第12番というのもなかなか楽しめる曲である。冒頭の低弦の奏でるメロディーから何やら雰囲気があり、やがて盛り上がると、ベートーヴェンの第9番に似たようなメロディーが登場し、面白くなってくる。「ラズリフ」で革命の構想を練り、「アウローラ号」での砲撃を合図に戦闘開始、革命の火蓋が切られ、「人類の夜明け」−社会主義革命の成就と、各楽章のタイトルを追っていくとこうなる訳だが、こちらも素晴らしい演奏で、最後までじっくりと堪能できた。相変わらず大音響で鳴り響く。こちらも素晴らしい演奏であった

このあとは、アンコールをやるようだが、何やら怪しい雰囲気だ。どこに用意していたのかヘルメットをかぶる奏者もいて、何を演奏するのかと思ったら、モソロフの「鉄工場」だ。アンコール演奏も鼓膜破りの音楽だ。「鉄工場」を生で聴く機会があるとは思わなかったので、得した気分だ。演奏終了後に、今回のアンコール用に用意したという鉄板を、ステージの前に持ってきて見せてくれた。この鉄板をジャンジャカ叩いていた訳である。(作業服とヘルメットで、すっかり鉄工場で働く人になり切っている奏者) 最初の「コロンブス」といい、アンコールの「鉄工場」といい、オケの奏者も楽しんでいる感じで、聴いている側も楽しくなる。

今日も楽しい演奏会であった。
                                До Свидания!

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