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2013年06月17日23:25

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【音楽】 府中の夏 北欧の風音楽祭 (3日目)

一昨日、昨日に続き、ステーンハンマル友の会による「北欧の風音楽祭」の3日目を聴きに行った。今日の会場は「府中の森芸術劇場」だ。仕事を終えると、終業ベルと同時に会社を出て、電車を乗り継ぎ東府中に向かう。結果的には余裕で間に合った。


【今日のプログラム】
 スウェーデンからの便り 「結(ゆい)〜日本とスウェーデン」

・平井康三郎:チェロとピアノのための「さくらさくら」によるパラフレーズ
・三善晃:子守唄
・カルコフ:バラード、間奏曲、伝説
・フルメリ:バラード(スウェーデン民謡による変奏曲とフーガ)

・リンドグレン:チェロとピアノのためのファンタジア・ジャッポネーゼ
・フルメリ:チェロソナタ第2番
・三木稔:「結II」より チェロとピアノのための「森よ」

 Vc:クラース・ガッゲ、Pf:和田記代

今日は、日本の作曲家の作品もプログラムに組まれていて、テーマは日本とスウェーデンの「結(ゆい)」である。言語も文化も気候も違う両国だが、どこか通じるとことがあるような気がする。そこを音楽を通じて感じることが出来れば、というところであろうか。今日の出演者はガッゲさんと和田さんの2名で、じっくりと濃い演奏が聴けそうだ。

1曲目の平井康三郎の曲は、日本人なら誰でも知っている「さくらさくら」を主題とした変奏曲風の作品で、ガッゲさんのチェロの音色が、日本的雰囲気に合っているなと聴きながら思った。スウェーデン人のガッゲさんの弾く、日本の代表的な歌に基づいた日本人の作品が、決してちぐはぐにはならず、それどころかぴったりとはまっているのである。これは聴いていても心地よかった。

このあとは和田さんのピアノソロが続く。2曲目の三善晃の子守唄。「日本の子守唄は、慈愛に満ちた眼差しで愛し子に呼びかける諸外国のそれとは違い、母子の生の情感をそのまま投げかけるもの」と三善は捉え、この曲が出来たという。初めて聴く曲だと思うが、ちょっと独特の雰囲気で、不思議な宇宙に入ってしまいそうな気がした。正直、私にはちょっと分かりにくい曲だと感じた。

3曲目はカルコフだが、カルコフも自分の中ではまだ消化しきれていない作曲家だ。残念ながらカルコフは今年の1月に亡くなったそうだが、和田さんが直接会っているし、カルコフも日本文化が好きだとのことで、どこか通じるところがあるのかもしれないと思っているので、いずれ聴きこんでみようと思う。今日は折角の和田さんの生演奏だが、ちょっと退屈してしまった。

前半の最後は、グンナル・ド・フルメリの作品だ。自他共に認める「我が国を代表するフルメラー」である、マイミクのこめへんさんも今日いらしていた。私はフルメリは何枚かのCDを持っている程度で、まだ初心者であるが、それゆえ新鮮な気持ちで聴ける。年代的には「現代」なのだが、「なんだか訳の分からんゲンダイオンガク」ではなく、ロマン派の香りを残す作曲家、そしてピアニストである。プログラムによれば、ピアニストとしてのデビュー演奏会は、バッハ、ブラームス、ショパン、そして自作の「スウェーデン民謡変奏曲」ということだが、今回この曲を今回聴いてみて、その流れが少し分かるような気がした。和田さんの演奏も素晴らしすぎ!


後半は、再びガッゲさんと和田さんのデュオだ。ステファン・リンドグレンは、スウェーデンの作曲家でピアニストであり、今回はこの音楽祭のために日本の歌「おぼろ月夜」を題材にした曲を新たに作ってくれたのだという。もちろん、今日は世界初演だ。日本の旋律を使ってスウェーデン人が作った曲が、日本人が聴いて違和感なく聞こえるものである。やはり通じるものがあるのかもしれない。

続いてはフルメリのチェロソナタ第2番だが、これは作曲者自身によっていろいろな編成で作られ、オーケストラとの協奏曲になったり、独奏楽器はもともとホルンだったり、トロンボーンにもなったり、といろいろと変遷している。それゆえ、チェロソナタ第2番としてもいくつかの版が存在するらしいが、そういうことは専門家(フルメラー?)にまかせて、ただ音楽に耳を傾けよう。これは素敵な曲だ。チェロソナタは第1番の第3楽章だけ手持ちのCDに入っていたが、第2番を全曲通してきちんと聴くのはおそらく初めてだ。かくも美しい曲であったのかと感動した。

プログラムの最後は三木稔の「森よ」である。日本と、スウェーデンをはじめとする北欧国の共通点は、なるほど、森が豊かであるということなのだ。国土の大半が森林なのである。この曲も素晴らしいが、ガッゲさんのチェロに感動した。チェロがこうも表情豊かに様々な音色が出せるとは思わなかった。「日本の音」に通じるような音色にうっとりした。

アンコールはペッテション=ベリエルの「子守歌」。ペッテション=ベリエルも大好きな作曲家で、風貌に似合わない(?)美しい曲が多いのだが、最後はそのきれいな曲で締めくくり、いい心地で終えることが出来た。

まだ1週間がはじまったばかりの月曜日だが、素敵な週明けの夜となった。

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