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2013年06月16日20:43

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【音楽】 府中の夏 北欧の風音楽祭 (2日目)

昨日に続き、ステーンハンマル友の会による「北欧の風音楽祭」の2日目を聴きに行った。今日の会場は「府中の森芸術劇場」だ。会場に着いたら、ずいぶん高校生が多いなと思ったら、別のホールでは都内の高校生の吹奏楽連盟による演奏会が行われているのだ。出演する高校が次々と入れ替わりにぎやかだ。「北欧の風音楽祭」も負けてはいられないだろう。


【今日のプログラム】
 アンサンブルの歓び 「スウェーデンにやってきた音楽家たち」

・クラウス:弦楽四重奏曲ト短調 VB183
・クラウス:ピアノ三重奏曲ニ長調 VB171

・マルトー:24のカプリスより「ワルツ」、「アメリカ風トッカータ」、「タランテラ」
・スメタナ:わが故郷より 第2曲
・ベーレンス:ゲセルシャフツ・カルテット第4番

Vn:鈴木千保、Vn:荒井絵梨、Vn:久保静、Va:山廣みほ、Vc:クラース・ガッゲ
Pf:矢島愛子、Pf:和田記代

「北欧の風音楽祭」と銘打って、スウェーデンの作曲家を主に取り上げる演奏会だが、今日のプログラムに登場する作曲家は、スウェーデンどころか北欧出身の作曲家は一人もいない。しかし、いずれもスウェーデンとは縁の深い作曲家で、のちにスウェーデン人になった人もいる。

前半は、ヨゼフ・マルティン・クラウスの室内楽作品を2曲。クラウスは生年がモーツァルトと同じ、没年もモーツァルトと1年違いと、まさにモーツァルトと同時期を生きたため、「北欧のモーツァルト」と称されることがある。しかし、その作風はモーツァルトとは違うし、「北欧のモーツァルト」と呼ぶのはやや乱暴な気がする。もともとはドイツ出身だが、時の王グスタフ三世に気に入られスウェーデンに招き入れられ、王の庇護のもとヨーロッパ中を旅してまわっている。モーツァルトと会ったかどうかは明確な記録はないようだ。

1曲目は、鈴木さん、荒井さん、山廣さん、ガッゲさんによる弦楽四重奏曲ト短調。(「第3番」と書くこともあるが、番号は混乱しているようでVBで表すことが多い。しかしこれも統一されていないよう?)  これはスウェーデンに行く前にドイツで作られた作品とのことだが、すでに個性が光る作品で、最初の上昇音階タタタタッでクラウス独特の世界に入り込んでしまう。

2曲目の前に和田さんがクラウスについて解説し、続いて、和田さん、久保さん、ガッゲさんでの三重奏曲。現存する唯一のクラウスのピアノ三重奏曲とのことだが、少なくともこの編成の作品があと5曲はあるらしい。これもなかなか良い感じで、第1楽章冒頭のヴァイオリンからして、久保さんの名演で心地よい。第2楽章がピアノ中心で弦楽器はピチカートで伴奏というのも、なかなか面白い個性的な曲だ。

休憩のあとは、マルトーの超絶技巧曲。マルトーは初めて聴くが、このような初めて聴く作品が毎回あるのも、この音楽祭の楽しみである。マルトーはフランス出身だが、スウェーデンを頻繁に訪れてスウェーデンの音楽を広めることにも尽力し、スウェーデンに居住したこともないのに、その後スウェーデン国籍を得ている。さて、曲の方だが、これは超絶技巧の練習曲で、超絶技巧といえば久保さんだ。今回演奏する3曲は、いずれもポジションがほとんど横にしか移動しないらしい。普通は縦に移動するが、「こんなポジション移動をする曲などない」という。そういうのはすごく難しいらしいが、その難しい曲をさらりときれいに弾いてしまう訳で、久保さんの超絶技巧も、この演奏会の楽しみの一つになっている。2曲目の「アメリカ風トッカータ」は「ヤンキー・ドゥードゥル」のメロディーが出てきて面白い。(日本では「アルプス一万尺」という題名で知られる曲)  ピアノ伴奏は矢島さん。

続いてはスメタナの「わが故郷より」の第2曲である。鈴木さんのヴァイオリンと和田さんのピアノ。スメタナはいうまでもなくチェコを代表する作曲家の一人だが、スウェーデンのイェーテボリに音楽教師および合唱指揮者として赴き、現地の音楽文化の向上に大きな役割を果たしたのである。「わが故郷より」の2曲目は、スメタナの祖国への想いが込められた美しくも哀愁的なメロディーで、こういう作品は鈴木さんが得意なようだ。

最後はベーレンスの作品。ピアノ練習曲で有名らしいが、ピアノを弾かない私はよく知らない。ドイツ出身で、21歳でスウェーデンに渡り、指揮者や音楽教師として活躍したという。今回の曲は、ピアノ連弾+ヴァイオリン+チェロという珍しい編成の曲で、昨日のアンコール演奏と同じ編成だ。和田さん、矢島さん、久保さん、ガッゲさんの4人での演奏。タイトルの「ゲセルシャフツ(Gesellschafts)」とは、「仲間の」とか「組織の」と言った意味らしいが、ぴったりする日本語訳が無いようだ。友人たちが集まって楽しく演奏しましょう、というような作品といえばいいだろうか。これも全く初めて聴く曲だが、そんな楽しい雰囲気が伝わるような曲であった。


昨日は小さなお子さんが多かったが、今日は逆に年配の人が多かった。昨日よりも客席の平均年齢が相当上がったと思う。隣りのホールでは若さあふれる高校生たちが吹奏楽を奏でているが、こちらは地味ながらも中身の濃い、充実した大人のコンサートであったといえる。

さて、明日は19:00からの開演。明日は仕事だが、無事開演に間に合うよう府中に着けるようにがんばろう!
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