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2013年05月03日21:49

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【音楽】 水星交響楽団 定期演奏会

水星交響楽団の定期演奏会に行ってきた。

知合いの団員(Vc)が、「北欧物やるから来てね」とチケットをくれたので、行かない訳にはいかない。

本日のプログラムは次のとおりである。
・シベリウス:交響曲第7番
・ブリテン:チェロと管弦楽のための交響曲
・ニールセン:交響曲第4番「滅ぼし得ざるもの」

  指揮:齊藤栄一/チェロ独奏:丸山泰雄
  会場:ミューザ川崎シンフォニーホール

ミューザ川崎が復活して、今回が2回目のコンサート行きである。前回は東響のリニューアル・コンサートでブルックナー。今日は高水準な演奏をするアマオケだ。このオケは安心して聴ける。すなわち、余計なことは考えなくて、作品そのものに浸ることが出来るのである。

シベリウスの交響曲第7番は、シベリウスがたどり着いた究極の交響曲作品と言われる。無駄なものは一切なく、自然と人間の調和を究めた作品とされている。クラシック音楽を聴き始めた頃は、シベリウスの交響曲は1番、2番ばかり聴いていたが、のちになって7番を含む後期の交響曲が好きになっていった、という話は以前も書いた記憶がある。

今日もシベリウスをしっかり堪能することが出来た。例のトロンボーンによる格好良いソロも良かった。シベリウスの7番は、ここが聴き所だからね。幸福な気分になって、シベリウス7番を聴き終えた。

このあとのブリテンの「チェロ交響曲」は難物だ。実はほとんど聴いたことがなかった曲だ。CDを持っていることさえ忘れていたが、自宅のCD棚から発掘したので「予習」のために前日聴いてみた。ブリテン本人の指揮(オケはイギリス室内管)、チェロはロストロポーヴィチという、これ以上望みようがない規範の演奏といえるCDなのだが、どうも個人的には難物だった。

今日の実演を聴いてみると、CDで分からなかった所もいくぶん分かり、なるほど確かに名曲には違いないが、この曲が好きかと問われると、そうなるにはもう少し時間がかかりそうだ。

とにかく演奏する方に取っては、ソロもオケも相当難しいには違いない。冷戦時代の英国とソ連の音楽家の出会い(ブリテンとロストロポーヴィチ)が生んだ、奇跡の音楽、反戦主義者ブリテンの熱い想いが込められた平和へのメッセージ(らしい?)作品。そんなところが多少なりとも伝わったような気がしたので、やはり良い演奏だったといえる。

そうえいば、今年はブリテン生誕100周年なのに、この「チェロ交響曲」が日本で演奏されるのは、今日の水響の演奏会だけらしい。確かに、あまりブリテンで盛り上がっているようには見えない。

このあと、チェロ独奏と弦楽合奏によるアンコール曲。ピアソラ作曲/ブラガート編曲「アディオス・ノニーノ」だ。これは初めて聴く曲だが、ピアソラらしい(というのか)、美しく感傷的な曲だ。冒頭はチェロのソロがしばらく続き、そのあとに弦楽合奏が加わるが、このアンコール曲は指揮者なしで演奏された。

休憩のあとはニールセンの4番である。この曲の標題である‘Det undslukkelige’を「不滅」と訳したものが定着していたが、本来は「滅ぼすことが出来ないもの」という意味で、最近は「正しい訳」で書かれるようになっている。今日のプログラムにも「滅ぼし得ざるもの」と書かれていた。

「滅ぼし得ざるもの」とは何なのか。ニールセンの祖国であるデンマークは、何度も国家存亡の危機にさらされてきた。デンマーク史は苦難と復活の繰り返しで、そんなところから、祖国デンマークへの想いを込めて、人間の尊厳を抑圧するものに抗い、滅ぼすことが出来ない存在であるべき「人間の精神」といったものを高らかに謳う作品なのであろう。

そんなことを頭に浮かべて聴いていた。なんだかキナ臭い昨今の周辺国だが、そんなことも重ね合わせてしまう。

ティンパニの激しい強打が心地よい。終演後に指揮者が最初に立たせた奏者はティンパニだった。

今日はニールセンが一番良かったかな。今日も満足の行く演奏会だった。
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