今日は、Dear Brahms Vol.2 と題する演奏会に行った。
プログラムは次のとおりである。
・ブラームス:ヴァイオリンソナタ第1番「雨の歌」
・ブラームス:ヴァイオリンソナタ第2番
・ブラームス:F・A・Eソナタよりスケルツォ
・ブラームス:ヴァイオリンソナタ第3番
ヴァイオリン:南紫音/ピアノ:三原未紗子
会場:ハクジュホール (14:00 開演)
昨年より始まった、ピアニストの三原未紗子企画による9年がかりのブラームス室内楽演会の第2回である。前回は2台のピアノによる作品集だったが、今回はヴァイオリニストの南紫音を迎えての、ヴァイオリンソナタ全曲演奏である。三原未紗子と南紫音は大学の同級生とのことで、この企画を考えた時、真っ先に「ヴァイオリンソナタは南さんといっしょに」と思い、早々に交渉したとのことだ。
そんな訳で、まずは第1番「雨の歌」から始まる。この曲も実演でも何度も聴いているが、いつも標題に引っ張られて、どんな雨のイメージかと考えてしまう。関東はここ数日ジトジト雨続きで、「雨の歌」への導入かと思ってしまうが、第1楽章の演奏はもっとざっと降る雨のような印象であった。南のヴァイオリンの豊かな音量がそう感じさせる。
しかし実は、今日は別の聴き方をしようと思っていた。第2楽章の最初の24小節は、シューマンの末っ子フェリックスの病気を案じるブラームスの気遣いであり、結局息を引き取ってしまったフェリックスへの葬送の音楽がそのあとに続いているのだと、最近何かで読んだ。この楽章はそうしたことへのクララへのいたわりなのだと。そして、演奏前にプログラムを見ると、なんと「雨の歌の旋律を云々」というありきたりの解説よりも、そのフェリックス・シューマンのことがメインで書かれているのである。なんか予感があったのか。そして、第2楽章はまさに慈しむような優しく包み込むような演奏に聞こえたのである。
2曲目の第2番は、夏の間の滞在地での作曲で、美しい自然に囲まれながら寛いだ様子も感じられる素敵な曲だが、演奏も冒頭のピアノからして素敵である。結構ピアノパートに美しい旋律が散りばめられているようでもあり、ヴァイオリンと融合しながら見事な演奏であった。
休憩のあとは、F・A・Eソナタの第3楽章のスケルツォ楽章である。これはシューマン、ディートリヒとの合作で、ブラームスの担当した楽章のみが演奏される。ヨアヒムを歓迎する親しい仲間同士の楽しみのための曲であり、そんな情景が浮かぶようなスケルツォ楽章だ。肩が凝らずに聴ける楽章で、演奏もピアノとヴァイオリンでバチバチと、しかし楽しく、という感じが伝わるものであった。
最後の第3番は、ヴァイオリンソナタの集大成ともいえる曲だろう。最後はここに行き着いたという内容も濃い曲だと思う。演奏も丁寧にじっくりと、最後まで適度な緊張感を持たせながら進み、終わってみれば素晴らしい演奏だった。
さらにアンコール演奏があり、もちろんブラームスの作品で「歌の調べのように」である。歌曲をヴァイオリンとピアノで弾いたものである。前もどこかのアンコール演奏で聴いた気がするが、素敵な曲である。
クラシック音楽を積極的に聴くようになった原点はブラームスだし、好きな作曲家を問われればブラームスを最初に挙げるのは変わらない。そんなわけでブラームスの作品が演奏される演奏会に行くことは、これからも多いだろう。
ログインしてコメントを確認・投稿する