”かつて歯磨き粉のCMで一世を風靡したものの、近頃は世間から忘れ去られつつあるアメリカ人俳優フィリップ。俳優業を細々と続けながら東京で暮らし、すっかり街になじんでいた。そんなある日、フィリップはレンタル・ファミリー会社を経営する多田から仕事を依頼される。レンタル・ファミリーとは、依頼人にとって大切な「家族」のような役割を演じることで報酬を得る仕事。最初のうちは、他人の人生に深く関わることに戸惑うフィリップだったが、仕事を通して出会った人々と交流していくうちに、いつしか彼自身の心にも変化が起こりはじめる”(映画Com.より)
主役のブレンダン・フレイザー、若い頃に元気な冒険者として活躍していた「ハムナプトラ」シリーズを知ってる者としては、あの巨漢のゲイ男性を演じた「ザ・ホェール」を経て、うらぶれた熟年男性を演じるようになったかと、少々感慨深いものがあります。
HIKARI監督は大阪出身の日本人女性ですが、若い頃に渡米した後、今はハリウッドで活躍しているとのこと。
その監督の目線で作られた映画が、現代日本の一片をどう切り取っているのかという興味がありました。
冒頭から渋谷のスクランブルスクエア、秋葉原の群衆、高層ビル群など、外国人には印象的なのだろうというシーンが出て来ます。
そしてフィリップが少女を連れて行く麻布台ヒルズのチーム・ラボ・ミュージアム、神楽坂の化け猫祭りなど、外国人に人気の場所が沢山。
フィリップが演じるレンタルファミリーの役は、大きく言うと3つ。
最初は、若い女性の新郎役。
結婚式場に両親はじめ親類一同を招待し、少なくないお金を投じて挙げる結婚式の新郎役を頼むってどういうこと?と不思議でした。
これに関してだけネタバレしますが、新婦は実はレズビアンだったのです。
結婚式を挙げて親や親戚を安心させた後は、海外にその女性パートナーと移動ということで、これはとても納得できました。
そして、名門私立小学校に編入希望の少女の父親役。
往年の名優であり、今は認知症に蝕まれつつある老優(柄本昭)を取材する記者役。
寂しさを抱え、父親を渇望する少女、そして記憶を無くしつつあることに怯えている老優に寄り添って行くうちに、フィリップは仕事の役割以上に彼らに感情移入してしまう。
その為に騒動を起こして大変なことになるのですが、「誰かにとって唯一無二の誰かになる」ということは、人間にとって何よりも重要な使命ではないかと思えて来ます。
そして神社でのラストシーンにも、やられた!と思いました。
ただ弁護士や警官にまでなりすますというのは、立派な違法行為。
追訴を避ける為、仲間を助ける為とはいえ、これをサラリとやってしまう軽さはどうなのか?
これがお伽話ならよいのですが、監督のインタビューによると、現在の日本にはレンタル家族業者が約300社もあるとのこと。
まさに事実は小説よりも奇なり、なのでありました。
公式HP
https://www.searchlightpictures.jp/movies/rentalfamily
ログインしてコメントを確認・投稿する