今日は暖かい日だったが、明日から3月だし、もう春なのだろう。そんな午後は川崎に行った。小川典子ピアノリサイタルを聴きに行くためだ。
プログラムは次のとおりである。
・バルトーク:ピアノソナタ
・ベートーヴェン:ピアノソナタ第30番
・ブラームス:3つの間奏曲 op.117
・ブラームス:6つの小品 op.118
・ブラームス:4つの小品 op.119
ピアノ:小川典子
会場:ミューザ川崎 (14:00 開演)
「三大B」と題する演奏会だが、どの3人を「三大B」にするかは人によって違いがあるようで、小川典子の場合はバルトーク、ベートーヴェン、ブラームスらしい。小川のミューザでのリサイタルは5年ぶりということである。今回のプログラムは、小川にとって「セーフティーゾーンから新しい境地へ踏み出す構成となっている」ということである。
バルトークのソナタは、個人的には馴染みが薄い曲で、一応聴いたことはあるという程度だったので、今日はじっくり聴こうと思う。リズムが躍動するような第1楽章がなかなか面白い。ピアノは打楽器であるという側面も持たせたのだそうだ。第2楽章はゆったりと変化なく(?)進み、半ば退屈しそうになると、第3楽章のアレグロで盛り上げるという感じで、楽しんで聴くことが出来た。
ベートーヴェンのピアノソナタは、32曲のうち第30番を選ぶというのも、なかなか渋い選択かもしれない。第1楽章の冒頭が軽やかに入り、やわらかいベートーヴェン(?)のような感じが印象的だった。間髪入れずに第2楽章に突入し盛り上げて、第3楽章ではベートーヴェンの様々な想いを見せてくれるような多彩な変奏を、じっくりと余すところなく聴かせてくれた。
ブラームスは晩年に近い頃の小品集である。今日はこれが聴きたくて行ったというのもある。ブラームスのピアノ曲は、若き日のソナタで始まり、変奏曲を経て、晩年は小品集に至ったわけだが、これもブラームスがこれまでを振り返りつつ、しみじみと何か語るような作品なのだろう。そう思って聴くと、こちらにもいろいろな想いが巡ってくるのである。小川典子もいつの間にかいい年齢になられたし(私より少しだけ年上)、似たような感覚があるのかなと勝手に思ってしまうが、1曲1曲を丁寧に心を込めて弾いていて、とても良かった。ちなみに、今日の演奏は、全曲を譜面なしで弾いていた。
演奏が終わって会場を出ても、まだ外は暖かい。いい演奏を聴いて心も暖かくなって、ゆっくりと帰路についた。
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