台湾の山間部で養鶏場を営む38歳の独身女性フイジュン。長年面倒を見てきた弟の結婚式が間近に迫るなか、叔母からは結婚を急かされうんざりしている。そんな折、ひょんなことから「サリー」という名前で、マッチングアプリを始める。パリで画廊を営むフランス人のマーティンと知り合い求愛された彼女は、周囲からロマンス詐欺だと警告されながらも、真実の愛を確かめるべく単身パリへと向かう。
世界中で社会問題となっているロマンス詐欺を題材としたこの作品、小粒ですが思わぬ拾い物でした。
序盤では、台湾の田舎の暮らしにどっぷり漬かり、年中鶏や犬に囲まれてるフィジュンが、風水にあれこれ縛られたり、お節介な叔母さんに見合いを押し付けられたりしていて痛々しい。
そんな彼女が、お洒落なパリのスマートな男性マーティンに言い寄られたら、そりゃときめくことでしょう。
スマホでお互いの写真を送り合うのですが、エッフェル塔に高圧鉄塔、セーヌ川に田舎の小川、そんな対比に笑えます。
しかし、マーティンがいよいよお金を請求して来る。
周り中からロマンス詐欺だと警告され、反対されても、彼女はパリに向かう。
馬鹿だなあと思いながらも、ひっつめ髪に化粧っ気なし、作業着に長靴といったいで立ちだった彼女が、緩くパーマをかけたボブヘアに薄化粧し、綺麗なワンピースを着てパリに降り立つ姿には、思わず応援したくなります。
しかし結果はやっぱり…
見事な大嘘だったのでした。
しかし、話はそこで終わらない。
彼女はツアーから離団し、一人でパリに残り、自分の足で歩き始める。
その後の展開は、まあ、パリを綺麗に描きすぎじゃないかとと言いたくなる。
あんな乱交パーティに参加したり、新たな男性と一夜を過ごしたりして、無事に済むわけないでしょう!?とパリで財布を掏られた私は思うのですが。
それはそれ、子どもではない彼女は、自己責任でとにかく自分で歩き出したのです。
台湾に帰って養鶏場での仕事を再開した彼女は、なんだか吹っ切れたようにも見える。
そこに弟の結婚、弟の鶏レストラン開店、孤独な姪などが絡んでくるが、どれも逞しく受け止めて生きていきます。
あれだったら、パリに行かなくて後悔するよりも、行ってよかったねと彼女に言ってあげたくなるのです。
公式HP
https://animoproduce.co.jp/salli/
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