今日は、ステーンハンマル友の会主催の「スウェーデンからの風・夏の音楽会2025」に行ってきた。
プログラムは次のとおりである。
・ニルソン:歌、ヴァイオリン、ピアノのための「オフィーリアの嘆き」
・アンドレー:ソプラノ、ヴァイオリン、ピアノのための「白鳥」
・アウリン:三つのピアノのための幻想曲より 第2曲「ユモレスク」
・ムンクテル:ヴァイオリン・ソナタ
・ステーンハンマル:オペラ「ソールハウグの宴」より 第2幕前奏曲
・原嘉壽子:オペラ「すて姫」より すて姫のアリア「子守唄」
・三木稔:オペラ「静と義経」より 磯禅師のアリア「都へ帰りましょう」
・寺嶋民哉:オペラ「紅天女」より 伊賀の局のアリア「行かないであなた」
・ド・フルメリ:オペラ「シンゴアラ」より シンゴアラのアリア「オラ!ハヤブサが叫ぶ」
・カルコフ:オペラ「国境のキブツ」より ヤエルのアリア「その音楽から私は祖父の言葉を聞く」
・ステーンハンマル:オペラ「ティルフィング」より
−N.ハンセンによるヴァイオリンとピアノのためのポプリ
−ヘルヴォールのモノローグ「私は女、そして彼は男」
メゾソプラノ:向野由美子/ヴァイオリン:鈴木千保/ピアノ:和田記代
会場:加賀町ホール (15:00 開演)
前半は「スウェーデンの女性作曲家のパイオニアたち」、後半は「スウェーデンと日本のオペラ作品」と題してプログラムが選曲されている。ほとんどが初めて聴く曲である。実際この演奏会で初めて聴いた作品は過去にも多く、新たな作品に出会える楽しみもあるのだ。
まずは、メゾソプラノ、ヴァイオリン、ピアノの3人による2曲である。クリスティーナ・ニルソンの「オフィーリアの嘆き」は、ピアノとヴァイオリンで静かに始まるが、ソプラノが歌い出すと、狂気を含んだ歌が伴奏を圧倒していた。エルフリーダ・アンドレ―の「白鳥」は、ピアノとメゾソプラノだけで始まって、ヴァイオリンはないのかなと思っていたら、途中からスッと入っていくのが効果的だった。
続いてはヴァルボリ・アウリンのピアノ独奏曲「ユモレスク」だ。トール・アウリンの姉ということである。トールのヴァイオリン協奏曲などはお馴染みだが、姉の作品は全く初めて聴く。よくまとまった素敵な曲だった思う。前半の最後はヘレナ・ムンクテルのヴァイオリン・ソナタで、4楽章構成の大曲で、本日のメインプログラムだろう。女性作曲家ということでバイアスがかかっていたかもしれないが、他曲も含めて女性らしい素敵なメロディーが満載だと思った。でも、それだけではなく構成もしっかりした作品であり、これを機にもう少し聴いてみたいと思う。
後半はオペラ作品からのプログラムであるが、日本人作曲家の作品も含めて初めて聴く曲ばかりである。ステーンハンマルの作品もいろいろ聴いているはずだったが、オペラは未知の作品ばかりだ。「ソールハウグの宴」の第2幕前奏曲はピアノとヴァイオリンだけで演奏されるのかと思ったら、途中からメゾソプラノが加わった。これは宴が始まったあとに加わってきた客なのだそうだ。
このあとは日本人作曲家のオペラ作品のアリアを続けて3曲である。ピアノ伴奏で歌う。原嘉壽子の「子守唄」は、優しさと悲しさが同居したような心に沁みる曲、三木稔の「都へ帰りましょう」は切なる訴えを感じさせるもの、寺嶋民哉の「行かないであなた」は内に秘めた苦しい心情を吐露するような感じと、三者三様で聴き応えがあった。
続いてスウェーデン作曲家のオペラのアリアだ。まずはフルメリの「オラ!ハヤブサが叫ぶ」、続いてカルコフの「その音楽から私は祖父の言葉を聞く」である。スウェーデン語は全く分からないが、こちらも聴き応えがあった。カルコフの作品などなかなか素敵だと感じた。最後はステーンハンマルの「ティルフィング」から2曲だが、最初の「ポプリ」は同オペラ中の曲をニコライ・ハンセンがヴァイオリンとピアノの二重奏によるメドレー曲にしたもので、たぶんオペラのエッセンスが詰まっているのだろう。元のオペラが未知なのでなんともいえないが、これはこれで魅力的な作品である。最後はメゾソプラノが複雑な心情を歌いあげて、全プログラムを終了した。
いつもの演奏会と違ったのは、今回は曲間のトークがなかったことである。未知の曲は説明を受けて聴くとイメージがわきやすいが、そういうことはプログラムに詳しく書いておけばよいので、今回は演奏を聴くことに集中してもらおうということらしい。こういうスタイルもいいかもしれない。
真夏の時期にはほぼ毎年ステーンハンマル友の会による演奏会を楽しんでいる。来年も楽しみだ。再来年はステーンハンマル没後百年なので、来年はプレ・アニヴァーサリー・イヤーとして、盛り上げられることを期待したい。
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