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2025年06月05日23:29

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【音楽】 室内楽コンサート〜白夜に聴く音

ハクジュホールに2週続けて行くことになった。今日は、フィンランド在住のヴァイオリニスト藤田有希が企画している室内楽コンサートだ。

プログラムは次のとおりである。

 ・シベリウス:ヴァイオリンとチェロの二重奏曲
 ・メラルティン:弦楽三重奏曲 イ短調
 ・グリーグ:アンダンテ・コン・モート
 ・ブラームス:ピアノ四重奏曲第3番

  ヴァイオリン:藤田有希/ヴィオラ:鈴村大樹
  チェロ:大宮理人/ピアノ:宮崎翔太
  会場:ハクジュホール (19:00 開演)

「白夜に聴く音」と題するコンサートで、前半が北欧作曲家の作品、後半がブラームスというプログラムである。前半は「北欧の夏を思わせる小品」ということだが、作曲家の名前は馴染みがあっても、演奏される作品はどれもおそらく初めて聴く。交響曲や管弦楽作品ばかり聴いていて、室内楽作品には疎いようだ。もっとも今日のプログラムは、滅多に演奏されないけど、藤田が是非とも演奏したい作品を選んだということで、知らない曲ばかりにはなるだろう。

まずは、シベリウスの二重奏曲から始まる。「まさにフィンランドの短い夏を思わせる作品」なのだそうだが、ゆったりと流れるような曲であった。ヴァイオリンがメロディーをヴィオラが伴奏という感じの曲のようだ。

続いてはメラルティンの弦楽三重奏曲だ。4楽章構成の曲である。全く初めて聴く曲だったが、これはなかなか素敵な曲だった。藤田の演奏前のトークでは、北欧の祭りにアジアン・テイストも入ったような曲という説明があったが、第3楽章がお祭りなのだろうか。Prestoで突っ走り、リズムが躍動する。東洋っぽい(?)のは第4楽章だろう。なるほど聴いてみれば、そんな風に感じるところもあった。第4楽章の最後も盛り上がって終わるのかと思ったら静かに消え入るようで、勝手に事前イメージしていると意表をつかれるところも面白い。これはまた聴いてみたい曲だ。

前半の最後はグリーグの「アンダンテ・コン・モート」である。多楽章のピアノ三重奏曲にする予定だったが、この1楽章のみとなってしまった作品のようで、グリーグの死後にユリウス・レントヘンによって発見されたが、「単一楽章でありながら断片という印象が全くない。完成された作品だ」と言ったという。実際聴いてみると、充実した表情豊かな作品であり。これも素敵な曲だと感じた。

後半はブラームスのピアノ四重奏曲第3番で、今日のプログラムでは唯一馴染み深い作品だ。生演奏でも何回か聴いている。第3番の作曲はシューマンが精神に異常をきたした時期と重なっており、さらにクララへの複雑な想いも加わって、そのあたりの感情の動きが反映されているといわれる。冒頭のやや重苦しい雰囲気もそうなのだろうか。第3楽章ではピアノとチェロだけ、第4楽章ではピアノとヴァイオリンだけで始まり、その部分がまた美しい。第4楽章に繰り返し現れる音型は、ベートーヴェンの「運命のリズム」ということだが、それがどう聞こえるかを藤田はフィンランドの山奥の小屋に泊りこんで議論していたこともあったりと、北欧作曲家だけでなく、ブラームスのこの曲に対する思いも強いものがあるようである。それだけに演奏は素晴らしかった。

最後にアンコール演奏があった。スウェーデンの女性作曲家アンドレーのピアノ四重奏曲から第2楽章である。これもたぶん今日初めて聴く曲だ。これもまた素敵な曲で、機会があれば全楽章を通して聴いてみたい。

すでに夏に突入したかのような暑い一日だったが、夜は北欧(とドイツ)の空気を感じつつ、素敵な時を過ごせた。
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