連休最終日の今日は、雨が降り気温も下がったが、それはどうでもよく、午後は紀尾井町に行った。山田磨依ピアノ・リサイタルを聴きに行くためだ。
プログラムは次のとおりである。
・ミヨー:ポルカ
・ミヨー:「春」第1集第1曲
・ウェバー:3つの春の小品
・スコット:2つのエチュード
・ブリッジ:カンツォネッタ
・ダマーズ:プレリュードとトッカータ
・ダマーズ:「8つのエチュード」より第3・6・8番
・ダマーズ:自転車
・ダマーズ:「ささいな苦行」より第5番
・ダマーズ:「公式と問題」より第9・10番
・カサドシュ:8つのエチュード第8番
・サクル:孤独のための小さなエチュード集 第4曲
・パスカル:4つのエチュード第2番
・アイアランド:デコレーションズ
・ダマーズ:「万能人形スクービドゥー」より抜粋
ピアノ:山田磨依/:ボーカル:三田珠理
会場:紀尾井町サロンホール (13:00 開演)
ダマーズのエチュード全集のCD発売記念演奏会ということで、ダマーズを含めた仏英の作曲家の知られざるエチュード作品を中心にしたプログラムである。例によって馴染みのない作品も多く、そういった作品に出会えるのも、山田磨依リサイタルの魅力の一つである。
まずは軽快なミヨーの「ポルカ」と「春」からスタートする。このあとは英国の作曲家の作品が3つ続く。ウィリアム・ロイド・ウェバーの「3つの春の小品」はタイトルのとおり春を思わせる曲だが、実は別の作品の楽譜を探していたところ、作曲家の子孫の方にこの曲もいいよと勧められて、今回演奏することにしたという。確かに、聴いていて楽しい気分になる曲であった。スコットの「エチュード」も初めて聴くが、特に1曲目など個人的に気に入った。
このあとは、本日のメインのダマーズ作品で、今回発売のCD収録曲からの抜粋演奏であるが、そもそも「ささいな苦行」や「公式と問題」自体が世界初録音だったりする。「自転車」も世界初録音らしいが、これは過去の山田磨依リサイタルで生では聴いている。ダマーズらしからぬ(?)疾走感あふれる曲で、個人的にはお気に入りの曲である。
「プレリュードとフーガ」は、演奏自体が初めてのようだ。前にダマーズのピアノ作品全曲演奏会を複数のピアニストで行った際に、これで完全だと思っていたところ、最近になって新たな作品が見つかったらしい。そんな曲が聴けるとはなんと貴重なことか。ただし「プレリュード」は全く初めて見る曲だったが、「トッカータ」は「8つのエチュード」の第1番と全く同一だという。そんな訳で「8つのエチュード」も3曲抜粋で演奏するとあるが、実質4曲聴いたことになるのである。その「8つのエチュード」は、これまた超絶技巧を要する作品らしいが、聴いている方からすれば、すんなりと耳に入ってしまうのである。それだけ演奏が素晴らしいということだろう。
このあとは仏国の作曲家の作品が3つ続く。たぶんどれも初めて聴く曲だと思う。アイアランドの「デコレーションズ」は3曲からなるが、ちょっとドビュッシーっぽい雰囲気もあり、印象的な作品であった。
プログラムの最後はダマーズの子供のためのオペラ作品からの抜粋である。ここでゲストの三田珠理が登場して歌う。三田は山田の高校時代からの同級生で、もともとヴァイオリンを専攻していたが、その後はジャズに転向し、現在はジャズシンガーとして活躍している方だそうだ。山田磨依とは「バンド仲間」でもあったそうで、山田磨依のクラシック以外の音楽との関わりも初めて知ることになる。「クラシックの声楽は勉強していないので」と断って歌い始めたが、むしろそれが良くて、聴いていて楽しくなるような素敵な歌であった。
最後にアンコール演奏が3曲あった。ジョルジュ・ユー「アルバムの一葉」とデュティユーの「田園詩」、そして雨の日はアンコールの弾くことにしているというダマーズの「雨」である。
珍しい曲を聴けたというだけでなく、各作品の解説トークもあって、イメージがふくらむ。他では聴く機会の少ない曲が多いため、山田の解釈は重みを持っていると思う。
新発売のCDは会場で先行発売していたので、購入した。あとでじっくり聴こうと思う。
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