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2024年08月03日21:56

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【音楽】スウェーデンからの風・夏の音楽会(第2日)

今日の午後は表参道に行った。先週に続き、「スウェーデンからの風・夏の音楽会」の第2日である。先週とは別会場だが、駅から近いので暑い日にはありがたい。

今日のプログラムは次のとおりである。

 ・岡野貞一:春が来た、朧月夜、もみじ、ふるさと
 ・信時潔:北秋の (「沙羅」より)
 ・瀧廉太郎:荒城の月
 ・ステーンハンマル:月の光
 ・山田耕筰:待ちぼうけ
 ・ステーンハンマル:鐘
 ・山田耕筰:鐘が鳴ります
 ・幸田延:ヴァイオリンソナタ ニ短調

 ・ステーンハンマル:ピアノ協奏曲第1番より第1楽章 (2台ピアノ版)
 ・アルヴェーン:交響曲第2番終楽章よりフーガ (ピアノ連弾版)
 ・ノールマン:ピアノ四重奏曲 ホ短調

   メゾソプラノ:向野由美子/ピアノ:和田記代/ピアノ:上川祐理子
   ヴァイオリン:本橋はる子/ヴィオラ:中村紀代子/チェロ:懸田貴嗣
   ピアノ:西山雅千
   会場:カワイ表参道コンサートサロンパウゼ (14:00 開演)

前半は日本人作曲家による作品が多いが、「ステーンハンマルと同時代の日本人作曲家たち」と題したプログラムである。まずは向野さんの歌唱と和田さんの伴奏で、お馴染み過ぎる岡野貞一の唱歌メドレーである。子供の頃から馴染んでいる歌だが、こうやってプロの歌唱でじっくりと聴くと、改めて良い歌だなと思う。ちなみにステーンハンマルのピアノ協奏曲第1番の第3楽章は「朧月夜」に酷似した旋律があるのだが、このことはプログラムの解説にも書いてあって、岡野がステーンハンマルの作品を聴いた可能性はほぼなく、同時代に全く別々によく似た旋律が生まれた偶然とのことである。それはそれで面白い。

瀧廉太郎の「荒城の月」は素晴らしい名曲だと思っているが、同じく月をテーマにしたステーンハンマルの「月の光」との聴き比べということで、続けて歌われる。全く違う旋律なのに、哀愁を帯びた感じが共通しているような気もした。

前半で楽しみにしていたのは実は幸田延のヴァイオリンソナタである。本橋さんと西山さんで演奏される。未完の変ホ長調の方は力強い感じで、むしろやや気負った感じがしないでもないのだが、ニ短調の方は素敵なメロディーがスッと入る感じで、好ましいと思っていた。今日はそのニ短調のソナタが聴ける。もちろん生で聴くのは初めてだ。演奏時間が10分にも満たない単一楽章の曲だが、「なんとなくいい感じな曲」なのである。女性作曲家の系譜とか女性ヴァイオリニストの系譜といった話では、必ず最初に名前が登場する幸田延であるし、時々は聴きたい曲である。

後半は「演奏家としてのステーンハンマル」と題して3曲が演奏される。ピアニストであり、時にオーケストラを指揮したりもしたステーンハンマルの演奏記録がある作品の一部である。ステーンハンマルのピアノ協奏曲第1番は、私がステーンハンマル好きになったきっかけの曲でもあるし、今日も生で聴けるのがうれしい。ピアノパートを和田さん、オーケストラパートをピアノで西山さんが弾く。残念ながら第1楽章だけだが、それだけでも充実の内容である。ピアノ2台で演奏されるが、オーケストラパートはオーケストラが鳴っているように聞こえるのは、単に自分がよく知っている曲だというだけではなく、音色や響きを考えて弾いているからなのであろう。これは素晴らしいものが聴けたと思った。

続いては、アルヴェーンの交響曲第2番の第4楽章のフーガだが、この曲もこのフーガが実に素晴らしいのである。指揮者としてのステーンハンマルも、このフーガを高く評価しており、第4楽章のみを演奏することもあったというし、自身の作曲にも刺激を受けたようである。オーケストラで聴いてはいるが、ピアノ連弾で聴くのは初めてである。和田さんと上川さんによる演奏である。ピアノで聴くと、オーケストラで聴くよりも構成が分かりやすかったりして、改めて素晴らしいフーガだなと思うのである。もちろん他の楽章も含めて素敵な曲だとは思っている。

最後は、ノールマンのピアノ四重奏曲をアンサンブル・フォス(本橋、中村、懸田、西山)が演奏する。ノールマンの作品は、この会の演奏会でも以前聴いたような気がするが、何の曲だったかは思い出せない。でも、ピアノ四重奏曲は聴くのは初めてだと思う。シューマンが才能を認め、ノールマンもシューマンを尊敬していたということから、シューマンに似た感じかと思いきや、そういう雰囲気もないことはないが、やはりこれはこれでノールマンの素晴らしい作品だなと思うのである。ステーンハンマルとアウリン四重奏団はどのように演奏したのかなと想像しながらも聴いていた。

演奏会終了後に和田さんたちとお話ししたが、スウェーデンの作曲家の作品は、長く平たく流れて、パッと盛り上がるような感じで、この「長く平たい」というのが、ステーンハンマルをはじめスウェーデンの作曲家の作品を聴いて感じることなのだそうだ。素人の私にはピンとこないし、言葉にするのも難しいが、プロの感じ方は何かあるだろう。北欧とひとくくりにするのもよろしくなく、ノルウェーとは違うし、フィンランドとはもっと違うという。これはなんとなく感覚的に納得できる。

こういう演奏会は他ではなかなかないし、「ステーンハンマル友の会」主催の演奏会以外では聴く機会がほとんどない曲もこれまでたくさん聴いている。末永く続けてほしい演奏会である。
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