また精神的にも日常に戻るためには、いつものとおりコンサートに行くことも一つだ。そんな訳で今日は横浜に行ったが、なんとオペラである。
・リヒャルト・.シュトラウス:歌劇「サロメ」
沼尻竜典指揮 神奈川フィルハーモニー管弦楽団
田崎尚美 (サロメ)
高橋淳 (ヘロデ)
谷口睦美 (へロディアス)
清水徹太郎 (ナラボート)
大沼徹 (ヨカナーン)
山下裕賀 (小姓)
小堀勇介 (ユダヤ人1)
新海康仁 (ユダヤ人2)
山本康寛 (ユダヤ人3)
澤武紀行 (ユダヤ人4)
加藤宏隆 (ユダヤ人5)
大山大輔 (ナザレ人1/カッパドキア人)
大川信之 (ナザレ人2)
大塚博章 (兵士1)
斉木健詞 (兵士2)
松下美奈子 (奴隷)
会場:横浜みなとみらいホール (17:00 開演)
「神奈川フィルがオペラ!?」と思ったが、まさにそのとおり、神奈川フィルのウェブサイトに同じ文言が書かれていて、確かに神奈川フィルによるオペラは記憶にない。これは音楽監督の沼尻竜典により始められた「ドラマティック・シリーズ」の第1回とのことで、「壮大な物語の表現」をやっていこうということだ。
今回はセミ・ステージ形式ということで、オーケストラは通常の管弦楽曲の演奏のようにステージにあがり、その前で歌手たちが若干の演技もしながら歌うというものである。会場に着くと演者変更のお知らせがあり、ヘロデ役の福井敬が急病のため、高橋淳に交代するとのこと。結構重要な役なのに、突然の変更で大丈夫だろうかと心配になるが、そんな心配は無用だった。
サロメ役の田崎尚美はさすがであった。ヨカナーンに話しかける場面の恋慕感情、ヘロデの誘いを断り続ける場面のそっけなさ、踊りが終わってヨカナーンの首を要求する場面の狂気、そしてヨカナーンの首を抱いて口づけする場面の狂喜(いや狂気か)、それぞれ見事な表現であった。急遽代役となったヘロデ役の高橋淳も、目立たないように譜面を置いてはいたが、以前もヘロデ役を歌ったことはあるのだろう、しっかりとヘロデらしさを出していたと思う。
オーケストラだけで演奏される箇所は、歌手もステージから離れているが、そういうことで音楽にじっくりと浸ることが出来て、改めてここのモティーフはここにつながるのかといったことが分かったりした。「7つのヴェールの踊り」も、通常のオペラのステージならサロメ役の歌手が10分間踊ることになるのだが、今回はこの部分の演奏が始まるとステージから去り、オーケストラとしての聴かせどころの一つであるこの部分を、オーケストラの演奏のみでじっくりと堪能できた。
オペラだと、やはり歌手たちが主役のようになってしまうことが多そうだが、今回はオーケストラも決して添え物ではない、むしろ主役と言ってもいいのだと思えるような、素晴らしい演奏だった。過剰演出になることもなく、じっくりと音楽として楽しめる今回のような演奏形式は、個人的にはむしろいいかもしれない。
夏至から3日しか経っていないので、演奏会が終わってもまだ外は明るかった。
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