今日は仕事のあとは天王洲アイルに行き、ピアノ音楽を聴きに行った。吉岡裕子さんによるウルマス・シサスクの「銀河巡礼」全曲演奏会の第4回である。前回の「赤道の星空」に続き、今日は「北極の星空」で、これで全曲演奏が完結することになる。前回の演奏会は2020年1月で、だいぶ間があいているが、第1回からは2ケ月おきに行っており、第4回も元々は2020年3月の予定だったのが、感染症拡大の影響で延期になっていたのである。ようやくの開催である。
この連続演奏会は、作曲家ウルマス・シサスクによる、88の星座全てを音楽にするというのが完成したのを受けて開かれることになったものである。吉岡さんはシサスクと深い交流があり、シサスクの作品を知り尽くしている人である。吉岡さん以外には出来ない企画であろう。
今日のプログラムは以下のとおりである。
・ウルマス・シサスク: 銀河巡礼「北極の星空」 (全曲)
ピアノ:吉岡裕子/語り:高木宏道
会場:KIWA TENNOZ (19:00 開演)
これまでと同様、ピアノ演奏に合わせて、写真家有賀哲夫さんの撮影による星空の写真がスクリーンに映し出される。そして、高木さんの語りによる、それぞれの曲にまつわる物語をはさみながら、演奏が進んでいく。そのことによって、イメージが何倍にも膨らむ。
「銀河巡礼〜北極の星空」の各曲目は次の通りである。
序
・カシオペア座 「バラード〜流れ」
・とかげ座「妖精たちの声」
・ケフェウス座「実在」
・りょうけん座「進行」
第1章:チェロキー族インディアンの神話
・わし座「勇敢なる飛翔」
・きりん座「目に見えぬ巨人」
第2章:クワキウトル族インディアンの伝記
・おとめ座「信望」
・しし座「探し求める者」
・こじし座「見出す者」
第3章:エストニアの宇宙論「四角形の世界」
・いっかくじゅう座「愉快な巡礼者」
・ヘルクレス座「夢見る者」
第4章:北斗七星についてのエストニアの民族の神話
・こうま座「閃光」
・おおぐま座「力強い勇士たち」
・かに座「偶発」
・やまねこ座「虚無」
第5章:月についてのエストニア神話
・ペガスス座「天空への旅」
・りゅう座「頭から尻尾まで」
第6章:エストニアの詩篇「月と太陽と星」
・さんかく座「三つのボタン」
・ぎょしゃ座「踊る山羊、意外な存在」
・ふたご座「零次元」
第7章:スカンジナビアの世界樹の神話
・はくちょう座「空虚」
・かんむり座「崇拝」
各曲に付された言葉がまさに曲のイメージである。必ずしも星座の由来とは一致していないが、シサスクのイメージなのである。4回の演奏会を通じて、エストニアや北欧の神話、各地の伝説にも、だいぶ詳しくなってきた(?)。
どの曲も、シサスクの音楽と完全に一体となっている吉岡さんにしか出来ないような演奏だろう。「北極の星空」は今日が日本初演であり、当然ながらほぼ初めて聴く曲ばかりだが、特殊奏法などもあるのに、聴きやすくスッと耳に入るのは、やはりシサスクのいうように、はるか昔から存在しているものを音にしただけということなのだろうか。今回も最後まで素敵な演奏会であった。
最後にアンコール演奏として、シサスクの14歳の時の作である「もうひとつのカシオペア座」を弾いてくれた。これがまた実に素敵な演奏であった。
今日でシサスクの「銀河巡礼」全曲演奏会が完結した。それを全て聴けたのは貴重な体験であったと思う。
ログインしてコメントを確認・投稿する