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2022年08月13日17:11

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【音楽】 偽作・疑作を楽しむ1日

台風も接近しているので、今日は自宅でのんびり音楽を聴いて過ごしている。先日、「クラシック偽作・疑作大全」(近藤健児/久保健著、青弓社)という本を読んだのだが、そこに挙げられている「偽作・疑作」のうち、手持ちのCDで聴ける曲を改めて聴いてみた。


●J.S.バッハ:フルートソナタ BWV1031
●J.S.バッハ:フルートソナタ BWV1020
  オーレル・ニコレ (フルート)/カール・リヒター (チェンバロ)

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フルートソナタのうち3曲、BWV1020、BWV1031、BWV1033が偽作または疑作であるという。そのうちの2曲である。BWV1020はC.P.E.バッハの作ということで、ほぼ結論づいたらしい。BWV1031は有名な第2楽章が「バッハのシチリアーノ」として単独でも演奏される美しい曲で、フルート吹きにとっても定番中の定番曲である。これもC.P.E.バッハの作らしいとの説があるが、まだ結論は出ていないという。CDの解説文には、BWV1031についてのみさらりと書かれており、BWV1020は普通にJ.S.バッハ作品扱いだ。


●L.v.ベートーヴェン:フルートソナタ 変ロ長調
  ジャン=ピエール・ランパル (フルート)
  ロベール・ヴェイロン・ラクロワ (ピアノ)

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これは、ベートーヴェンの真作か否か、まだ結論は出ていない作品である。しかし、ベートーヴェンの作品(かもしれない)ということで、フルート吹きには重要なレパートリーになっているのである。4楽章構成の規模の大きなソナタで、ベートーヴェンの初期作品のような雰囲気もあるのだが、真作か否か、決定的な証拠が現れない限り、結論は出ないのである。録音の解説にも、私が持っている楽譜にも、「ベートーヴェンの作かどうかはっきりしていない」ことは最初から明確に書かれている。


●W.A.モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第7番 ニ長調
●W.A.モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第6番 変ホ長調
  ジャン=ジャック・カントロフ (ヴァイオリン)
  レオポルト・ハーガー指揮オランダ室内管

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モーツァルトのヴァイオリン協奏曲は通常第5番までとされており、この2曲はCDにもはっきりと「疑作」と書かれている。第6番は、おそらくフリードリヒ・ヨハン・エックの作品であろうというのが濃厚となっているらしい。モーツァルトの真の作品に比べると、「作曲上の不手際や至難な演奏技巧」があるらしいのだが、たとえモーツァルトの真作でなかったとしても、モーツァルトかも?となっていたことで、このように「疑作」と断りつつも、録音が存在して楽しむことができるのだ。最初から「エック作曲ヴァイオリン協奏曲」だったら、現在も演奏される作品になっていたか分からない。


●W.A.モーツァルト:協奏交響曲 変ホ長調
  カール・ベーム指揮ウィーンフィルハーモニー

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これも、いまだに真作かどうかの結論は出ていないようである。自筆譜は紛失したまま現在まで未発見であり、いろいろな経緯もあって編曲されたものなのか、なぜフルートがクラリネットになったのか、とにかくはっきりとしたことは分からないらしい。しかし、「これがモーツァルトの作品でないとしたら、どこの誰がこれほどの曲を書けるというのか」という話があり、そう信じて聴くのがいいのかもしれない。


●J.ハイドン:弦楽四重奏曲 ヘ長調「セレナード」
  ウィーン弦楽四重奏団

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有名な第2楽章が「ハイドンのセレナード」として親しまれている曲だが、これも現在ではハイドン作ではないということに落ち着いているようだ。ハイドン作曲として出版された際の銅板を調べたら、ホフシュテッターの文字が消された跡があることなどから、ハイドン作ではないとの疑義が生まれ、現在ではロマン・ホフシュテッタ―作であるとの結論にほぼ至っているようである。しかし、ハイドン作であろうとなかろうと、聴いて心地よい作品であることに変わりない。


結局、誰が作ったかではなく、どんな作品なのかが大切なのかもしれない。有名作曲家の作品でないと判明した瞬間に、傑作だったものが駄作に変じる訳ではないのだ。
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