mixiユーザー(id:12784286)

2022年04月03日19:48

293 view

【音楽】 アイノラ交響楽団演奏会

好天の昨日から一転、雨の降る寒い日となったが、今日の午後も荻窪に演奏会に行った。アイノラ交響楽団の定期演奏会である。

今日のプログラムは次のとおりである。

 ・カヤヌス:フィンランド狂詩曲第1番
 ・ショスタコーヴィチ:7つのフィンランド民謡
 ・シベリウス: ルオンノタル
 ・シベリウス:交響曲第1番

   指揮:新田ユリ
   ソプラノ:前川朋子/テノール:海道弘昭
   会場:杉並公会堂 (14:00 開演)

アイノラ交響楽団は、専らシベリウスの作品を演奏するアマチュア・オーケストラで、年に1回演奏会を行っている。今回が第19回なので、シベリウスの作品は一通り演奏し終えたのかと思いきや、まだまだ演奏していない作品はたくさんあるようだ。次回で第20回となるとのことで、今回は「シベリウスのフィンランド音楽創造を辿る」と題するシリーズの発端らしい。珍しくシベリウス以外の作品も入っているし、おなじみの交響曲第1番に加え、初めて聴く「ルオンノタル」も入っているが、これらも、シリーズの主旨に沿ったものだろう。実は私はカヤヌスの作品も、ショスタコーヴィチの作品も、今日の演奏曲は初めて聴く。

最初はカヤヌスの作品から。カヤヌス自体、私はあまり馴染んでいない。カヤヌスは作曲家というよりは指揮者としての活躍が多く、シベリウスの作品を広めた人という人である。その「フィンランド狂詩曲」は、もちろんフィンランド色の濃い音楽なのであろうが、シベリウスとはまた雰囲気が違うようでもあって、なかなか面白い音楽であった。

ショスタコーヴィチの「7つのフィンランド民謡」は、そもそもなぜショスタコーヴィチがこれを作ったのか分からないが、とにかく聴いてみる。オーケストラだけで演奏されるのが2曲に、ソプラノだけ、テノールだけ、ソプラノとテノールが交互に歌うもの、そしてソプラノとテノールの二重唱と、なかなか変化に富んでいる。フィンランドといいつつ、1曲目の冒頭からして、いかにもショスタコーヴィチな感じで、打楽器やピアノも効果的に使用して、聴いていても楽しい曲集である。フィンランド語は全く分からないが、あとで対訳を見てみると、やはり楽しい歌なのだと分かる。

続いての「ルオンノタル」は、シベリウスの作品ながら、初めて聴く作品だ。声楽の入った曲には疎いことが露呈してしまうが、オーケストラとソプラノによるこの曲は、「カレワラ」第1章「ワイナモイネン誕生」による詩で、ルオンノタルとは「自然の女神」といった意味らしい。冒頭のオーケストラによる導入部が最弱音で、そのあとも終始オーケストラは薄く静かに鳴り続ける。余計な音は一切書かれていないという曲である。それだけにソプラノが際立っているのだが、こちらも大声を張り上げるわけではない。それでいて適度にドラマチックで、神秘的な雰囲気もところどころにあって、聴いていて素敵な曲だなと思った。

休憩のあとは交響曲第1番だ。この曲は何度も聴いているし、このオーケストラでも過去に聴いていると思うが、何度聴いても飽きない曲である。冒頭クラリネットのソロから始まることからしても、他の多くの交響曲とは違った雰囲気を醸し出している作品だが、ここからいろいろと展開しつつ、シベリウス独特の響きが感じられるわけで、第1番からすでにシベリウスの個性が現れているのである。そんなことを今さら思いながら、最後まで聴き入っていた。ちょっと眠気を誘うような(?)第2楽章も、実は変化に富んでいて飽きさせない。最後のピッチカートもしっかりと決まって、やはり素晴らしい演奏で堪能することが出来た。

このあとはアンコール演奏である。いつも「アンダンテ・フェスティーヴォ」で締めくくるのだが、今日は少し様子が違うと思っていたら、演奏は「フィンランディア」であった。「シベリウスのフィンランド音楽創造を辿る」ということになると、やはりこの曲を演奏しない訳にはいかないだろう。このオーケストラにとっては十八番中の十八番の作品だ。「フィンランディア」で熱く盛り上がったあとは、いつもの「アンダンテ・フェスティーヴォ」でクールダウン。

シベリウスを専門とするオーケストラだけに、シベリウス作品に対する思い入れは強い。プロのオーケストラだったら、特定の作曲家だけを演奏するという訳にはいかないだろうが、アマチュアならこだわりを持って演奏会ができるのだ。北欧音楽ファンとしては毎年欠かせない演奏会になっている。来年の演奏会も楽しみだ。
1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2022年04月>
日 月 火 水 木 金 土
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930