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2021年07月24日17:35

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【読書】 最近読んだ本 備忘録

最近読んだ本の、備忘的メモ。


●「三体問題」 (浅田秀樹著、講談社ブルーバックス)

2つの天体の運動は、ニュートンの万有引力の法則で説明することが出来る。ところが、これが3つになると、途端に難しくなるのである。オイラーや、ラグランジュやポアンカレといった科学史に輝かしい実績を残した巨人たちも、この問題に取り組んでは、結局「特殊な条件」のもとでの解を得たに過ぎなかった。解ける方程式、解けない方程式の話に始まり(これは数学を学んだ人なら知っているガロア理論)、ケプラーの法則からニュートン、そしてアインシュタインの一般相対性理論。宇宙を記述する理論は進化していくが、「三体問題」は永遠の課題であり、今世紀になってもなお、大きな壁が立ちはだかっているのである。分からないことだらけだからこそ、天体物理学は面白いともいえるのだが。


●「四大空港&ローカル空港の謎」 (風来堂著、イースト新書)

全国に97ある空港。東京、成田、関西、中部の四大空港や、各地にあるローカル空港に関する、立地や構造についてや、特徴的な運営などの雑学を、ざっと書き並べた本である。「謎」というほど深い話ではないが、実際に行ったことのある空港については、なるほどという内容も書かれている。私も、中部、大阪、仙台、宮崎など、そこから飛行機に乗っていなくても、空港には行ったというところもあり、空港そのものもなかなか楽しい場所であることには違いない。以前は月1〜2回は飛行機に乗って全国を飛び回っていた時もあったが、今は出張もほとんどない状態で、少しさびしい。


●「京成はなぜ国内最速になれたのか」 (草町義和著、交通新聞社)

金町−柴又の人車鉄道から始まった京成は、東京と成田を結ぶ鉄道として発展していく。しかし、東京のターミナルは都心から外れた押上だったので、都心乗入れは悲願であった。そのため「東京ゲージ」の1372mmで線路が敷かれたが、これが裏目に出た。実際に地下鉄直通が決まると1435mmへの改軌という大工事をすることになったが、この結果、国内の地下鉄直通運転第一号となったのである。また、成田に空港建設が決まると、空港輸送という使命が加わるが、開港は遅れに遅れ、折角新造したスカイライナーも、本来の役割を果たせないままだった。しかし、北総線の線路を使用したアクセス線が開通すると、新幹線を除けば国内最速の160km/h運転が実現するのである。苦境にあっても、乗り越えて発展してきた京成電鉄史の本である。


●「日本の音を聴く」 (柴田南雄著、岩波現代文庫)

日本の音を追求した作曲家で音楽学者の柴田南雄の著作である。「記紀」や「枕草子」などの古典に見る音、縄文時代の石笛や弥生時代の土笛、ハスの開花音やししおどしの音、等々、日本の音について書いたものに始まり、松尾芭蕉が聞いた音、日本の楽器の昔の音と今の音などについて書き、日本の音楽と西洋の音楽は根本的に違うことを述べている。すなわち、日本語による日本的なものを西洋音楽のように作っても、しっくりこないのだ。わざと音程が合わないように作られているのが邦楽器であり、邦楽なのである。そんな考えに基づき、民族芸能や社寺芸能の綿密なフィールドワークに基づいて作られた柴田のシアターピース作品の自作解説が後半の内容である。実は柴田のシアターピース作品は「ゆく河の流れは絶えずして」くらいしか聴いていないのだが、この本を読むと、いろいろと聴いてみたくなった。


●「学校に入り込むニセ科学」 (左巻健男著、平凡社新書)

普通の科学リテラシーがある人ならば、有り得ないことは明らかに分かることなのに、そういうもっともらしい科学的な(?)説を、正しいと信じてしまう人がある程度いるらしい。そういう人は相手にせず、笑っていれば済むと思いきや、学校教育の中にも入りこんでいるとなると、それは問題である。この本は、その中でも「水伝」と「EM菌」について詳しく状況を述べている。そんな荒唐無稽なことがあるはずないのに、さも正しいかのように授業で取り上げられ副教材として活用されていたという。そして、たどっていくと大体ある団体に行き着くらしい。子供たちから批判的・合理的・科学的精神を奪い、教育の土台を崩壊させる「ニセ科学」を排除しなければならないという、危機感を持った本である。
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