繊細なトランスジェンダーの少女の内面を描いた「ガール」と
実に対照的な作品を観ました。
メタボのさえない中年男達が、起死回生をかけてシンクロナイズド・スイミングに挑む話。
鬱病で仕事をやめ、2年間引きこもりのベルトラン。
4回も会社を潰し、またも倒産寸前なのに、社員に威張り散らしているマルキュス。
夢を諦めきれず、売れないレコードを出し続けている初老のロッカー。
妻と息子の人格を否定をし続け、自分が捨てられた完全主義の男。
継父にいじめられた傷を引きずった挙句、人に利用されるばかりのプール管理係。
前半は、彼らの暗い生活が延々と映し出され、少々辟易します。
ハゲだったりデブだったりおなかボヨヨンだったり、つまりみんなメタボでさえないので
個々の識別もしっかりできない(なので名前も全部は覚えられなかった)。
仕事に失敗したり家族に疎んじられたり、社会にも家庭にも居場所がない男たち。
寄ると触ると愚痴を言い合ったり、お互いを攻撃したりという男たち。
プライドばかり妙に高くて理屈っぽい、フランス人の嫌な面がこれでもかと。
大体、彼らを指導する女性コーチ、デルフィー二もアル中を引きずっているのです。
やれやれという思いで観ていると…
優しいデルフィー二が恋人(正確に言えば、恋人と思っていたのは彼女の方だけだった)
に拒絶され、立ち上がれなくなって、その友人アマンダが代わりのコーチとして
出て来た辺りから場面が一変します。
この車椅子コーチが凄い!
毒舌、スパルタ、怒鳴りまくり、パワハラ全開で、情けない男達を鍛え上げる。
そりゃあ酷いものなのですが、あのくらいの猛特訓がなきゃ、あの結果は出なかったのかもね。
彼らは最後にシンクロナイズドの世界大会に出ちゃうのですから。
80年代のポップスに乗って、彼らが力いっぱい演じる世界大会のシーンは
あのグダグダの前半を我慢して観てよかった!と思わせられます。
スウェーデンに実在する男子シンクロナイズド・スイミングチームがモデルになったのだそうです。
「sink or swim」は「イチかバチか」を意味する言葉らしい。
「シンク オア スィム」
http://sinkorswim.jp/
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