金曜日から関東地方も梅雨入りし雨がちの天気だが、今日はそんなジメジメした雨も吹き飛ばすような、楽しいコンサートに行った。オーケストラ・トリプティークの演奏会である。
今日のプログラムは次のとおりである。
・宮内國郎: ウルトラマンの歌
・冬木透: ウルトラセブンの歌
・冨田勲: 「マイティジャック」主題歌
・渡辺岳夫: 「ガンダム」組曲
・菊池俊輔: 「ドラゴンボールZ」組曲
・渡辺宙明: レーザーブレードメドレー (宇宙刑事ギャバン、シャリバン、シャイダ―より)
・宮内國郎: 「チャージマン研!」より主題歌/研とキャロンの歌
・宮内國郎: 「チャージマン研!」組曲
・チャージマン研!第16話 「殺人レコード恐怖のメロディ」 (ライブシネマ)
・チャージマン研!第23話 「恐怖!精神病院」 (ライブシネマ)
・チャージマン研!第25話 「雄一少年を救え!」 (ライブシネマ)
・チャージマン研!第4話 「謎の美少年」 (ライブシネマ)
・チャージマン研!第35話 「頭の中にダイナマイト」 (ライブシネマ)
指揮:�盒蕎�
東久留米児童合唱団「そよかぜ」/ヒーローコーラス(ジュラル歌劇団)/佐藤昇 (語り)
会場: 大和田さくらホール (14:00 開演)
前半が「ヒーローオーケストラ」、後半が「チャージマン研!ライブシネマコンサートVol.3」である。「チャージマン研!」のライブシネマコンサートも今回で3回目になるが、残念ながら第1回、第2回は行かなかったので、今回が初参加である。2回目までは宮内國郎特集だったが、今回はヒーロー音楽総集編ということで、前半はヒーロー特撮・アニメの音楽を集めている。
演奏会の前に、司会の西耕一さんと声優の佐藤昇さんによるプレトークがあり、開演前から盛り上がる。佐藤さんは「チャージマン研!」で、魔王、ボルガ博士、ピアノの先生、星君など、多くのキャラクターを演じている。(要するに低予算のため、一人何役もしたということだろう。) 「お菓子好きかい?」と言っただけで会場が盛り上がる。会場は明らかに「チャージマン研!」オタクの集団だ。
演奏会は、円谷特撮の2作品の主題歌から始まる。「ウルトラマン」、「ウルトラセブン」とも、お馴染み過ぎる主題歌だが、今日は生オーケストラの伴奏による、児童合唱団「そよかぜ」と男声合唱団「ヒーローコーラス」の歌だ。「ウルトラマン」は、歌の前のオープニングタイトルの音楽から始まって、あくまでも当時の放送に忠実に再現なのである。ジャズがベースの宮内とクラシックがベースの冬木の違いも、主題歌にも何となく現れているような気がする。
続いては、オーケストラとヒーローコーラスによる「マイティジャック」の主題歌だ。これは番組自体はあまり見なかったと思う。ただ、主題歌だけはなぜか聴いたことあるような気がした。こうやって生で聴いてみると、冨田の音楽はやはりかっこいいと思う。
さて、このあとは「ガンダム」、「ドラゴンボールZ」、「宇宙刑事ギャバン」シリーズと続くのだが、こちらは、アニメも見ていないし音楽も馴染みがない。誰でも知っているアニメには違いないだろうが、1980年代以降のアニメや特撮は疎いのである。でも音楽はカッコイイ。ヒーローアニメの音楽は、このようにカッコイイものなのだ。
さて、前半の最後は最強の(?)ヒーロー「チャージマン研!」の登場である。1974年に放送された伝説のSFヒーローアニメ。とにかく低予算で、絵も効果音も明らかな手抜き、その上、今では放送できないような台詞や内容もあったり、そもそもストーリーが破綻していたりする。タイトルに誤字・脱字すらある。でも、チャージマン研は強いのである。一瞬でジュラル星人をやっつけてしまう。苦戦するとか悩むとかがほとんどない。相手がジュラル星人と分かれば、あるいは正体を見せる前もジュラル星人らしいと思った時点で、容赦なく光線銃でやっつけてしまう。まさに無敵のヒーロー! そして、低予算ながら宮内國郎の音楽だけは豪華なのである。
再び児童合唱団が加わり、まずは主題歌と「研とキャロンの歌」である。主題歌はフルコーラスで3番まで歌われた。これぞヒーローアニメの主題歌というカッコイイ歌である。挿入歌の「研とキャロンの歌」も名曲で、まさに「地球は僕らのユ−トピア」という雰囲気がしみじみと伝わる、暖かい歌である。2番の独唱部分も素晴らしかった。45年前のアニメなど知らない世代が素晴らしい歌声を聴かせてくれた。(歌だけ聴けば、名作アニメだと思える...)
このあとは劇中音楽を編んだ組曲だが、ここで佐藤さんの「語り」が加わる。内容はもちろん劇中の台詞である。さらに、ステージ後方にアニメの絵が静止画で映し出される。音楽と音楽の間を台詞がつなぐ感じで進行していくが、会場からは笑いが止まらない。演奏の途中で笑いが出るなど、クラシックの演奏会では有り得ないのだが、今日は違う。映し出された絵を見ただけで、どの話のどの部分か分かる人がほとんどで、そのあとの話の展開や台詞が浮かんで笑ってしまうのである。「殺人レコード恐怖のメロディー」はやはり効くね。いや、いい曲だと思うのだが、この曲を聴くと悶え苦しむのだ。ブラームス「交響曲第8番」だと思って買ったレコードが、この曲だったらそうなるか。「ボルガ博士死のバラード」は博士の死を悼む悲し気な曲。なのに、この曲が始まると笑いが起きるのは、そのストーリーを思い出してしまうからだ。
休憩のあとは、アニメの映像に生の演奏が加わるライブシネマコンサート形式で、「チャージマン研!」を5本である。最初の「殺人レコード恐怖のメロディー」だけはオープニングとエンディング付で、再び児童合唱団が加わる。あとは本編のみだが、本編は5分ちょっとなのである。(放送時間は1回10分で、オープニングとエンディングとCMを除くとそのくらいになる。)
しかし、よりによって今放送したら問題がありそうな話ばかり選んだなという感じで、タイトルからしてヤバそうなのもあるが、自由に笑ったり拍手したりしてもいいですよとの司会からの話もあったので、みんな安心する。「キ○ガイレコード」、「こんなところ」、「これから毎日家を焼こうぜ」等々、申し合わせたような拍手ポイント。
研がチャージマンに変身して活躍する場面の音楽も、歌付きバージョン、オーケストラのみのバージョンなどいろいろあり、もちろん歌付きの時は児童合唱が参加する。
「雄一少年を救え!」の前には、西耕一さんとヒーローコーラス改め「ジュラル歌劇団」による寸劇があって、また盛り上がる。会場も参加の「はいだら〜」も加わり、もう楽しくてどうしようもない。最後の2本は、音楽だけでなく星君とボルガ博士の声も、佐藤さんの生アフレコだ。45年ぶりの本人による再現だ。(第2回もやったようなので今回が初ではない。)
最後はアンコールで、全員参加で「チャージマン研!」主題歌をTVサイズ版で歌い、さらに「殺人レコード恐怖のメロディー」で締めた。悶え苦しむ「ジュラル歌劇団」。指揮者まで倒れて大変だ。
楽し過ぎる演奏会であった。クラシック音楽の演奏会もいいが、こういうのも楽しい。「殺人レコード恐怖のメロディー」が、会場を出たあとも耳から離れない。
ログインしてコメントを確認・投稿する