先日の土曜日に渋谷に行ったついでにCD店に寄り、久しぶりにCDを購入。
●黛敏郎 (1929-1997、日本)
・オペラ「金閣寺」
岩城宏之指揮 東京フィルハーモニー交響楽団/東京混声合唱団
勝部太(溝口)/松本進(父)/亀田眞由子(母)/上原正敏(若い男)
山口俊彦(道栓和尚)/佐野正一(鶴川)/大沼美恵子(女)/蔵田雅之(柏木)
桑田葉子(娼婦)/加納里美(有為子) (1991録音、fontec)
このCDは前から気になっていたが、2月に公演があるので、そちらに行けばいいと購入を保留していた。実演を観て良かったら、改めてCDで聴くのもいいと思っていた。そして、実際良かったのである。日本人作曲家によるオペラの最高傑作といってもいいという話は、決して誇張ではないと思った。このCDは、1991年のオーチャード・ホールにおける日本初演の録音である。三島由紀夫の「金閣寺」を原作とする、ドイツ語台本によるオペラである。
物語は、溝口がまさに金閣寺に火を放とうとしていることろからはじまり、そこから溝口の回想という形でストーリーが進んでいく。全体に響きと音色に重きを置いたような感じで、山場もあまりなく流れるような音楽であるが、あえて対訳を見ずに(ストーリーは知っているし)音楽だけを聴いていても、素晴らしいものだと感じ取れる。尺八の音や「読経」コーラスは印象的だ。
●山田耕筰 (1886-1965、日本)
・狐の踊り
・秋の日のメロディ
・子供と叔父さん(おったん)
・聖福1
・聖福2
・源氏楽帖
・ソナチネ
・日本風の影絵
・牧神序曲
・ポエム
・ピアノのための「からたちの花」
・前奏曲「禱り」
・前奏曲 変ホ長調
・前奏曲「聖福」
・前奏曲 ト短調
・春夢
杉浦菜々子(ピアノ) (2018録音、Disc Classica)
「金閣寺」だけを購入してさっさと引き上げようと思ったのに、このCDも目に止まり、つい買ってしまった。山田耕筰の知られざるピアノ作品を収めたCDである。いや、いつまでも「知られざる作品」でいい訳がない。ありきたりな表現だが、「珠玉の小品集」という言葉がぴったりのCDだ。ピアニストの杉浦さんは楽譜を徹底的に検証し、死後半世紀経った今でも満足に校訂も出版もされていない現状を打破すべく、自筆譜にもあたって作品本来の形を正しく伝えるようにしたとのことである。ドビュッシーやスクリャービンの影響を受けつつも、独自の日本情緒を加味したピアノ作品は、山田耕筰が目指していた音楽を知る上でも重要な録音であると思う。
姉の子供との触れ合いが伝わる「子供とおったん」(おったんとは山田自身のこと)や、東洋音階をベースに独自の世界を表出した「源氏楽帖」の7曲(桐壺、若紫、末摘花、紅葉賀、花宴、花散里、須磨)、日本情緒たっぷりの組曲「日本風の影絵」など、いずれも素敵な作品である。これらがほとんどCD初収録作品というのだから驚く。「からたちの花」だけは別のCDにも入っている。この曲は、元の歌曲も有名なこともあり、山田のピアノ曲の中では知られた作品らしい。
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