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2018年03月07日20:17

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【読書】 最近読んだ本 備忘録

不定期に書いている、読んだ本の備忘的メモ。

●「ペンローズのねじれた四次元」 (竹内薫著、講談社ブルーバックス)

現代物理学の奇才といわれるロジャー・ペンローズの宇宙観を詳細に追っていく本である。相対性理論と量子論のはざまに生まれた「スピノール」の概念から「時空」が生まれるとする考え、宇宙が四次元であることの意味、そして四次元であるがゆえの特異な性質などを記述する。そして、「終わりは始まりである」という、ペンローズの共形循環宇宙論。これは「ビッグバン宇宙論」と「定常宇宙論」のいいとこ取りとも解釈できるといえる。天才の発想は凡人には難解だが、刺激的ではある。


●「JR北海道の危機」 (佐藤信之著、イースト新書)

JR北海道はもともと脆弱な経営基盤の会社であったが、青函トンネルの開通で一時期上向きになりかけた。しかし、道内の高速バス網が充実するにつれ、鉄道離れが加速する。そして、相次ぐローカル線の廃止、新型車両開発を中止し既存車両の更新にシフト、コストを下げるための不十分なメンテナンスで事故が多発。ついに、自社では維持不可能とした路線が全路線の半分に及ぶ有様だ。JR貨物は長編成の重量貨物列車を走らせるのに、数両編成の列車を走らせるだけの旅客会社が設備を維持しなければならないという矛盾もある。著者は設立当時の枠組みは見直しが必須だと提言する。抜本的な改革が必要だ。


●「サキ短編集」 (サキ著/中村能三訳、新潮文庫)

たまには海外作家の短編小説でもと思い、イギリスの作家サキの短編集を読んだ。O.ヘンリとともに短編小説の名手として知られているらしいが、日本では知名度が高くない。私もこの本で初めて読んだ。解説には、ブラックユーモアとか、残虐非道な風刺作家とか書かれているが、あまり強烈な毒はないように感じる。オチの効いたショートショートというところか。読後にちょっとニヤリとするような話も多く、なんともいえぬ読後感があるストーリーである。


●「食の王様」 (開高健著、ハルキ文庫)

前回書いた「巷の美食家」と同時刊行された本。この本も、食を極めた作家による食のエッセイ集で、以前読んだことのあるものも多いが、改めて読んでも面白い。戦地や終戦直後などの「どん底」の状況での食欲の話、世界を股にかけた酒の話、そして世界中を旅した中で味わってきた、食の歓び等々。ベトナムの戦地でネズミの旨さに仰天したり、人間の胎児を浸した酒の話が出てきたり、いわゆるグルメ本や食べ歩き本とは次元の違う話ばかりで、自分は一生食べることはなさそうなものばかりだ。


●「歴史のかげに美食あり」 (黒岩比佐子著、講談社学術文庫)

「歴史のかげに女あり」とはよく言われるが、ここは国を揺るがす妖艶な美女の話ではなく、日本の近代史にまつわる「食」の話である。ペリーの黒船来航、明治天皇、鹿鳴館の井上馨、帝国ホテルの大蔵喜八郎、ニコライ皇太子の大津事件、「食道楽」作家の村井弦斎、食通宰相西園寺公望、そして幸徳秋水の菜食論など、12のエピソードを書いている。外交手段として、「食」によるもてなしは重要であり、まさに歴史のかげに美食あり、である。当時のメニューも可能な限りを記しているが、なんとも豪華なフルコースである。下手な策を講じるよりも、最高の料理でもてなせば、何事もうまく収まる?

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