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2017年09月18日20:17

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【音楽】 オーケストラ・エクセルシス演奏会 〜 デンマークの歴史の中で

今日は、台風の影響による深夜の暴風も去り、快晴で久しぶりの30℃超えとなった。午後はまたコンサートに出かけた。オーケストラ・エクセルシスの第8回演奏会である。このオーケストラの演奏会には、残念ながら行けなかった第6回を除き、毎回行っている。「知られざる作品に光を当てるオーケストラ」ということで、録音以外ではこのオーケストラでしか聴いたことのない曲も多い。毎回のプログラムも魅力的だが、演奏も素晴らしいオーケストラである。

さて、今年は日本・デンマーク外交関係樹立150周年の年であり、それを記念して、今回はデンマークの作曲家のプログラムだ。

 ・F.クーラウ: 劇音楽「妖精の丘」序曲
 ・K.リスエア: シンフォニア・ガイア(交響曲第4番)
 ・H.ベアセン: 交響曲第2番「海」

   指揮:大浦智弘
   会場:杉並公会堂 (14:00開演)


1曲目はクーラウの「妖精の丘」序曲である。実は全く初めて聴く曲だ。クーラウといえば、ピアノソナチネとフルートの室内楽作品を少し知っている程度で、管弦楽作品はほとんど知らない。「妖精の丘」は劇音楽の序曲であるが、もちろんどのようなストーリーの劇なのかも知らない。しかし、音楽が始まってみると、これが実に楽しいのである。劇やオペラの序曲は、そのストーリーを凝縮した音楽といえるが、「妖精の丘」というタイトルからも想像できるようなファンタジーであり、最後はめでたく大団円という話らしい。音楽を聴いただけでなんとなくイメージできそうな曲であった。デンマーク国歌(王室国歌)も引用されているが、この国歌のメロディーは、ごく最近別の場所でも聴いたような気がする。意外なところで一昨日のコンサートとつながっていた。

続いては、リスエアの「シンフォニア・ガイア」である。前にこの曲のCDについて書いた時に、作曲家名を「リーサゲル」と書いたが、「リスエア」の方が本来の読みに近いようである。デンマーク語の読みは難しい。ガイアとはギリシア神話に出てくる地母女神で大地の象徴である。そこから「ガイア」という言葉で、大地や地球を指すこともあり、まさに母なる地球を描いた交響曲である−と思っていたら、今日の演奏会の直前に、そうではないことを知らされて驚いた。ガイアとは「楽しい、快活な」という意味であって、「地球」ではない! CDで初めて聴いた時も、第1楽章の雰囲気から、宇宙SFアニメ的な雰囲気さえ感じたのに。故郷地球を離れて宇宙へ挑戦する第1楽章、地球での思い出が蘇る第2楽章、勇気を持って困難に立ち向かう第3楽章、こんな風に聞こえたのだ。全然違う意味だったとは...

実際に生で聴いてみると、たしかに「楽しい、快活な」曲であることには違いないが、CDで初めて聴いた時の印象もそんなに外していないように思えたが、それは人それぞれの聴き方ということにしておこう。冒頭から特徴的なリズムが登場し繰り返される、オスティナートの第1楽章は、やはりかっこいい。第2楽章、第3楽章と、最後まで十分に楽しめた。こんなに素敵な曲が埋もれていたとはもったいない。改めてプログラムの解説を読むと、リスエアは各楽章に「挑戦」、「恩寵」、「勇気」という言葉を当てているという。あれ? さっき書いたことに符合しているぞ。やはりガイア=地球でいいのではないか??

休憩のあとはベアセンの交響曲第2番「海」である。海に因んだ作品は多いが、それぞれの国で海の表情はみな違う。ベアセンの「海」はデンマークのスケーエンの海の印象で書かれたものであるというが、スケーエンの海を見たことがないので、音楽でイメージすることにしよう。ベアセンの交響曲第1番は、「ベアセンの悲愴交響曲」と勝手に呼んでいるが、第2番はそれとは対照的な明るい曲である。4楽章からなり、それぞれ「波」、「夏」、「悲劇」、「航海」という標題がついている。第1楽章の「波」は、まさにそんなイメージ。大きな波が打ち寄せては砕けるというように、たしかに聞こえる。第2楽章も楽しそうな曲で、海そのものよりも海で休暇を楽しんでいる雰囲気といったところである。第3楽章だけ、チャイコフスキーをもう少し暗くしたようで、第1番にも通じる感じだが、最後の第4楽章は再び希望に満ちていく。なんだかとても分かりやすい曲で、演奏も雰囲気をうまく表現していたように思える。ベアセンの交響曲は第1番が圧倒的に大好きだったのだが、生で第2番を聴いたことにより、第2番も自分の中で急浮上である。

このあとはアンコール演奏である。ステージ後方のテラスにある6本の譜面台がずっと気になっていたが、アンコールになると、ここにチューバ6人が加わった。一体何の曲をやるのだろう。演奏が始まってみると、初めて聴く曲でもちろん何の曲か分からないが、重量級の音響、次から次へと畳みかける同じ旋律、そこにチューバによる叫びのような響きが加わる。これはすごい曲だなと思った。終演後に、ルーズ・ランゴーの交響曲第11番「イクシオン」であったと知る。ランゴーの作品は、こんなに面白く聴けるのか。これは収穫であった。

オーケストラ・エクセルシスの演奏はどの曲も安定のうまさで、聴いていても作品そのものに集中できる。今日もいい演奏を聴かせてくれた。もちろん一昨日の某所と違って客席のマナーもよく(完全というわけにはいかないが)、気持ちよく聴くことが出来た。

次回のステーンハンマル、ベルヴァルド、アルヴェーンも、今から楽しみである。
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