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2017年03月16日20:21

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【読書】 最近読んだ本 備忘録

最近読んだ本の備忘録。

●「ねえ君、不思議だと思いませんか?」 (池内了著、而立出版)

寺田寅彦は、「ねえ君、不思議だと思いませんか?」と学生に語りかけ、つい当たり前だと見過ごしてしまうことであっても、実は何故そうなるのか分からないような事があると気付かせたそうである。それに気付くことこそ科学者の大事な視点である。この本は、企業の業界誌や地方新聞などに書いた文章をまとめたもので、科学者としての鋭い視点から、時に辛口な文章も交え、科学に関する様々な話が書かれている。科学には良い面と悪い面の両方が必ずある。良い面ばかりを強調し、その結果として誤った方向に進むことが多い昨今の状況に鋭い批判を浴びせ、「見える成果」ばかりに重点がおかれて基礎研究が蔑ろにされている現状を憂う。科学や技術に携わる人間の一人として、いろいろ気付かされる本である。


●「終着駅はこうなっている」 (谷崎竜著、交通新聞社)

全国の終着駅70駅を訪ね歩いたルポ。終着駅には独特の雰囲気がある。この本は「全70駅の「いま」を追う」との副題が付いているが、5年前の本なのに、すでに「いま」でなくなっている駅がある。増毛駅、江差駅は路線の一部が廃止されて今はない。北海道の新十津川駅、様似駅、夕張駅、根室駅も存続が微妙になってきている。駅は変化が激しいが、その中でも昭和のままの駅風景がそのまま残っているのもあるのが面白い。ちなみに掲載された70駅中69駅は、前述の廃止された駅も含めておりたことがある。唯一おりていない穴水駅は、乗った時は途中駅だったが、この先の区間が廃止されて終着駅になったものだ。


●「ご当地「駅そば」劇場」 (鈴木広毅著、交通新聞社)

駅構内にあって、気軽に食べることが出来る「駅そば」。駅の蕎麦店なんてどれも同じじゃないかと思うのは大間違いで、地域毎、いや店毎に特徴があり、北海道から九州まで、全国の駅そばを食べ歩いている著者が、その魅力について書いた本である。単なる簡便な蕎麦屋ではなく、地域文化と鉄道文化が融合し、そこに行かなければ味わえない魅力があるのである。その土地ならではの具材を使った贅沢な蕎麦が安価に食べられるのも「駅そば」の良さだ。本書に登場する「駅そば」もいくつかは知っているが、まだまだ奥が深いようだ。


●「継続捜査ゼミ」 (今野敏著、講談社)

久しぶりに今野敏の小説。元警察学校の校長が退官後に勤めている三宿女子大。そこで教授になり、刑事政策演習ゼミを受け持っている。そのゼミでは、過去の未解決事件の継続捜査を実体験することで、捜査の進め方などを学ぶ。ゼミの学生は5人。イマドキの女子大生ではあるが、法律、薬学、歴史など、それぞれの得意分野にかけては専門家も顔負けの知識を持つ。警察OBとしての伝手から、実際の未解決事件の情報をもらい、女子大生たちが調査をもとに解決していく訳だが、学内で起きた小さな事件を見事に解決したことをきっかけに、15年前の未解決事件も見事に解決してしまった5人。面白かった。


●「怪書探訪」 (古書山たかし著、東洋経済新報社)

稀少な古書の蒐集家である著者が、その魅力の一端について綴ったものである。どんな本を集めているかというと、荒唐無稽で飛躍しすぎたストーリーの怪奇小説だったり、海外作品を訳の分からぬ話に翻案したものだったり、とにかく、読めば「なんじゃこりゃ?!」というような本ばかりである。また、大作家の無名時代の作品で、これまたあわやトンデモ本というのもあり、とにかくそのような珍奇な本ばかりを集めているらしいのである。でも、そんな稀少な本を入手した時のうれしさは、本好きなら共感できる。この本を読んで、読みたくなった本がいくつかあるが、どれも入手困難だろうなあ。
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