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2017年02月11日22:51

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【音楽】 NHK交響楽団演奏会 〜P.ヤルヴィの北欧音楽

立春を過ぎてもまだ寒い日が続く。特に今週は連日冷え込んだが、この程度の寒さはなんでもないと北欧の人などには言われてしまいそうだ。という訳で、今日は北欧音楽を聴いてきた。NHK交響楽団の定期演奏会だ。

今日のプログラムは次のとおりである。

 ・ペルト: シルエット-ギュスターヴ・エッフェルへのオマージュ
 ・トゥール: アコーディオンと管弦楽のための「プロフェシー」
 ・シベリウス: 交響曲第2番

   指揮:パーヴォ・ヤルヴィ /アコーディオン:クセニア・シドロヴァ
   会場:NHKホール (18:00 開演)


前半の2曲は、21世紀になって作曲されたエストニアの現代音楽で、いずれも日本初演ということである。後半はお馴染みのシベリウスの交響曲第2番だ。パーヴォ・ヤルヴィの指揮による演奏を生で聴くのも初めてである。

1曲目のアルヴォ・ペルトの「シルエット」は、録音でも聴いたことがなく、全く初めて聴く曲だ。2009年の作品である。副題のとおり、エッフェル塔のバランスの取れた合理的構造とエレガンスに音楽との共通性を感じて作曲した作品ということだ。編成は弦楽と打楽器で、管楽器はない。打楽器は、アンティーク・シンバル、ヴィヴラフォーン、テューブラー・ベル、トライアングル、サスペンデッド・シンバル、シズル・シンバル、シンバル、タムタム、大太鼓である。こう書くと、ドンドコジャンジャンな打楽器炸裂の曲のように思えてしまうが、そこはアルヴォ・ペルトである。ゆったりと静かに奏でられる弦楽パートに、時折チーンと打楽器の音が重なるという感じで、このチーンという響きがどこか東洋的にも感じた。10分弱の短い演奏だが、聴いていて落ち着くような良い曲であった。演奏が終わった後は、10秒位の静寂があって拍手となった。この静寂の間が好ましい。

続いては、エルッキ=スヴェン・トゥールの「プロフェシー(予言)」である。この曲はCDで聴いていたが、一緒に入っている(というよりそちらがメインの)交響曲第5番が印象的で、「プロフェシー」の方は、CDを持っていたことも忘れていたほどだったが、改めて事前にCDで聴いてみた。なんだかよく分からない曲という印象だったが、実演ではどうだろう。こちらは2007年の作品である。

ラトヴィア出身の美人アコーディオン奏者クセニア・シドロヴァが、パーヴォとともに登場する。女性奏者のプロフィールとしては珍しくプログラムに生年が書かれているが、それによればまだ20代である。最初にアコーディオンでバーンと大きく鳴らしたあとは、オーケストラと絡みながら、次々に展開していく。CDで聴くと、アコーディオンの音は弦楽の音と溶け合ってあまりよく分からない箇所も多かったが、こうやって生で聴いていると、CDでは聞こえなかった音が聞こえてくる。時には速いパッセージ、時には静かな独白のような音楽を奏でている。決して、アコーディオンの名人芸を見せつけるような音楽ではなく、管弦楽と一体になって進んでいくような曲であり、こうやって生で聴くと、やはりCDで聴くのとは違うものだと思った。もちろん(?)アコーディオンのパートはかなり難しいと思うが、素敵な作品だ。この曲も、演奏のあとは長めの静寂があっての拍手となった。今日のNHKホールの客はマナーが良い。

このあとは、クセニア・シドロヴァのアコーディオン・ソロで、アンコール演奏があった。全く初めて聴く曲で、誰の何という曲か分からなかったが、しみじみと歌うような、哀愁の漂う良い曲だなと思った。アコーディオンを聴く機会はあまりないのだが、この楽器は実に豊かな表現力を持つ楽器なのだと思う。休憩に入りロビーに出ると、アンコール曲は、セルゲイ・ヴォイテンコの「リヴェレーション」と掲示されていた。やはり作曲者の名前からして初めてきく人だ。

ここまででも十分に楽しめたが、休憩のあとはシベリウスの交響曲第2番で、こちらも楽しみである。3年前に父ネーメ・ヤルヴィがN響で同じ曲を振ったのを聴いて、大変素晴らしい演奏に感動したのを覚えているが、息子パーヴォはどうだろうか。聴いてみると、これがまた素晴らしい演奏であった。ネーメのシベリウスが、無駄がなく自然に音楽が流れるような、作品そのものの良さを、そのまま音にすることで素晴らしい演奏になったのだとすれば、パーヴォのシベリウスは、パーヴォの中で再構築した良い部分を引き出した感じで、結果としてシベリウスの作品自体の良さを伝えることになったといったところだろうか。うまく言葉では書けないが、要は素晴らしい演奏で良かったということである。こちらも演奏終了後は拍手大喝采であった。

NHKホールの外に出るとかなり冷え込んでいたが、雲のない夜空にはきれいな月が輝いていた。この寒い夜空に輝く月が、今日の演奏会の雰囲気を表しているように感じた。
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