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2024年04月19日10:36

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G.ガルシア=マルケス著・旦敬介訳「出会いはいつも八月」を読んで



照る日曇る日 第2039回

2014年に87歳で命終したコロンビア生まれの偉大な小説家の遺作です。

熟年のヒロインが年に一度だけ8月に母親の墓参りをする。その時に自らが求めて見知らぬ異性に身を任せたり、任せられなかったりする、という、まるで三文小説のような安易なプロットを逆手にとって、老衰?で薄れゆく理知を駆使しながら、なかなか見事な人世再創造物語に仕立て上げています。

訳者は、「これは他の名作と同列に読まれるベき著作というよりも、作者の手法を読み取る文学的ドキュメントではないか」とお考えのようですが、そんなに卑下する代物でもない。私は一個の作物として立派に吃立している佳作であると思います。

  桜咲けばみな花見して酒を飲むこんな国なぞどこにもないぞ 蝶人


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