先月半ばあたりから二週間ほど、あまり外を出歩かなくなっていたのだけれど、最近になってようやく元のペースに戻りつつある。ただ、気持ちの上では「ちょっとお休みしたくらい」と思っていた。
そんな軽い気持ちで、ちょっとした坂道を歩いた翌日。ヒザ上あたりの筋肉痛がひどくて、階段を上がるときも変な声が出そうになった。一日で筋肉痛になるのはまだ若いなんて気休めである。たった半月で脚の筋肉はかくも落ちてしまうのだ。
もう十五年くらい前になるけれど、亡くなった父は入院一週間で、普通に歩けなくなった。七十代後半だったとはいえ、それまでは剣道もやっていたのにである。年齢を重ねていくと、筋肉の衰えも進む。オジサンたちのなかで、いきなりジム通いをはじめ、肉体づくりに励む人もいるけれど、きっかけはそんなところなのだろう。衰えは早いけれど、回復は遅く、身体づくりはもっと時間がかかる。
友人、知人のなかでも過労で体調を崩したり、大きな病気をしたり、健康診断で異常を指摘されたりと、健康というのが当たり前ではなく財産になってきているのを痛感する。これが五十歳になると、常に疲れているとか言うようになる。七十歳になると、どこが悪くなったとかいうのが日常会話になる。おそろしいことだ。
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