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2017年08月28日11:36

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筐底のエルピス5-迷い子たちの一歩-/オキシタケヒコ

 あまりにも過酷に過ぎた前巻から、再起を目指す若者たちの物語として「正しく」ライトノベル方面に舵を切っている第5巻。内容的にはまだまだライトとは言い難いが、戦闘シーンもほぼ排除してこの緊張感、一歩一歩希望へとにじり寄っていく真摯な歩みが胸を打つ。悲劇の囚われヒロインが実はSF(天文)オタクだったことが世界を救う(…かも)とか胸が熱い。
主人公の戦闘力喪失や、あの人の正体(「黍」ってそういう…ホントの意味で対鬼決戦兵器だったとか)、並行世界同位体を狙う一角鬼とか衝撃的な情報の開示など、不安要素は決して減じていないが、ただ一筋の光明でも十分すぎる、と思える主人公たちの逞しさよ。それにしても絶望の淵から復活する切っ掛けが、愛とか友情(もたっぷりあるけれども)じゃなく、八極拳の達人と仕合った挙句、「わが身に宿る〈武〉がこの身を救った…」なのは脳筋すぎませんかこのメインヒロイン。
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