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2015年08月19日11:00

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マイケル・チミノ監督の「サンダーボルト」をみて



闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.879


 世の中なんて、人世なんて、なんぼのもんじゃ。この映画には全編を通じて、まぎれもなく七〇年代のアナーキズムが流れている。

 マイケル・チミノは、そんな時代精神とか空気感を、壮大な自然を背景に描くのが上手だが、ときどきその横道に逸れて、ドラマの本筋を見失ってしまうことがあるずら。が、それでも映画史上類まれな独特の感性の持ち主であることに変わりはない。

 本作においても死ぬほど苦労して大金を目前にしたジェフ・ブリッジスが、先輩の相棒クリント・イーストウッドを裏切ろうかと自問するシーンやラストで彼が死んだのか否かをはっきり描かないために、物語の輪郭が曖昧になっているが、こういう映画を撮りながら考え込んでしまう優柔不断さがチミノの長所でもあり弱点でもあるのだろう。


        蝉の声ひときわ高し敗戦日 蝶人

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