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2014年11月28日23:33

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監視機構/ジェフ・ヴァンダミア

「サザーン・リーチ」シリーズ2巻。時系列的には1巻の直後の話だが、続編というよりは1巻の「裏」というのが近い。謎の「エリアX」の探索行を描いた1巻に対して、こちらはその探索隊を組織する「監視機構」の内幕を描くスパイ小説・・・といっても1巻が冒険小説でないのと同程度に、こちらもそのジャンルに収まりきるものではない。なにせ、第一巻の2倍ほどのページ数の過半は主人公「コントロール」の思い出や夢が占めるのだから。そしてその内面描写がシームレスに、「エリアX」を監視し続けた結果、「深淵を見つめるものはまた〜」の箴言そのままに、「エリアX」に浸透された「監視機構」に巣食う狂気と恐怖につながっているのだ。前巻と対になった、そして本書自身の導入部とも同じく照応する結末は、恐ろしくも爽快な、絶望的な開放感に満ちている。
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