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2021年09月20日10:51

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森鴎外著「鈴木藤吉郎」「鈴木藤吉郎の産地」を読んで



照る日曇る日第1633回

安政の江戸町奉行に奉職していた鈴木藤吉郎という人物に、どうして鴎外が着目したのかはよく分からない。

しかしながら、ともかく大正6(1917)年の鴎外は、いつのまにやら成りあがって水戸老公斉昭や老中阿倍正弘の後ろ盾を得ながら、その晩年に謎の没落を遂げて正史の闇に沈んで行った、この謎の鈴木氏の生涯の秘密を追うことに、青白い情熱を傾けていたようにみえる。

「上野博物館にある江戸城の太鼓の皮には接際がある」、と知っていた藤吉郎は、それゆえに部落民ではないかという、いわれなき疑いを掛けられていた。

「鈴木藤吉郎」を書きあげた鴎外は、その後手掛けた「鈴木藤吉郎の産地」の取材の為に知人石井氏をして下野国都賀郡に赴かしめ、その噂の真偽を確かめようとしたのだが、残念ながら予期した成果を収めることができなかったのである。


   町内の誰かが日の丸を出しているはてさて今日は何の祭日? 蝶人

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