ある晴れた日に 第６５４回
夏来ればジャカランタの花咲き誇る内藤医院取り壊されたり
彼奴等には激しく怒り彼らには涙を零し忙しき夏
天敵のジョコビッチ相手じゃ仕方ない慌てず騒がず負けゆく錦織
誰一人本当にやるとは思わぬに勝手に進む東京五輪
民草をさらなる窮地に突き落とすコロナ五輪よどこかへ飛んでけ
もはや鳥蝶のことなど考える人もいなくて開発すすむ
ヒットでは満足せずに大谷に常にホーマーをを求める人々
猫ビルの黒は黒子の黒にして香月泰男の絵の黒である
雨蕭々「香月泰男の黒」のビル
いつどこで誰が決めたか東京五輪
眼の死んだ魚が踊る夏祭り
白蓮に覆いつくされ平家池
打てずともレッズ秋山は出ているがドジャース筒香マイナー転落
耳鼻科医がゴリゴリ耳糞を掘ったから朝からこんなに痛むんだろう
ロシアにはオブローモフ中国には寝そべり族がいて日本には三年寝太郎
果てしなき出世の道から足洗い寝そべる人を私は好きだ
霧馬山に勇み足で負けちゃった隠岐の海の寂しき横顔
香港の最後のリンゴが落ちました拾って食べる人はいないか
香港の最後のリンゴが落ちた日にパイナップルを食べていました
蘇れ樹木希林相ともに歌わん林檎殺人事件
哀しいね真っ赤なリンゴが落ちていた雨降り魔都香港の殺人現場に
香港の美味し果実を捥ぎ取りて踏みにじりたる闇の帝王
日に三度妻が手当てをしてくれて次第に良くなる顔面麻痺
コロナ禍で飛行機雲がない空はより純粋な空かも知れない
ヒカルちゃんが「ように」を「よに」と唄うとき世にも稀なる気色の悪さ
ⅯＲＩが鳴り物入りで大捜索わが脳内の怪しい奴を
楽しげに野球をしているその姿見れば楽しや大谷翔平
ホームランを打ち三振の山築く楽しからずや大谷翔平
次々にホームランをかっ飛ばす大谷将平の野球は楽しい
ことさらにホームランを打たずとも大谷選手の笑顔を見たい
亜星氏と「ワンサカ娘」を歌いつつ歴史の波間に消えゆくレナウン
浮草の下を行き交うメダカたちコロナも五輪も知らぬ存ぜぬ
ビルマでは命懸けの行為なりそっと立てたる３本の指
鎌倉で指を3本立ててみたヤンゴンならば一大事なり
感染のウガンダ人はウガンダへ亡命希望のビルマ人は日本に止めよ
撥ねられて倒れた跡に描かれたるチョークの番号4番5番
血のように赤いカンナ椿が咲いている 都はるみはどうしているか
躊躇なくあれやこれやの薬出す医師よ薬は毒と知らずや
狭庭には隅田の花火が咲き初めて君だけが私を分かってくれる
デルタ型の新型コロナがイプシロンに変異する頃人類滅ぶ
人類はきっと滅亡しているでしょうイプシロン型コロナが出る頃
顔つきが一変したので今日からは別人28号であるぞよ 蝶人
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