mixiユーザー(id:14378527)

2019年07月29日14:13

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本「慟哭は聴こえない (デフ・ヴォイス)」 丸山 正樹

現実にも起こっていることを連想させる内容がほとんどなので、小説とともにそちらもいろいろ考えさせられる。
一番感動したのは「静かな男」。水久保手話は、口話だと方言と同じようなものだと思う。
現在では方言を懐かしんだり、持ち上げたりする風潮もあるが、半世紀前には方言撲滅運動のようなものが日本中にあった。学校で方言を話すことを禁じて、破った生徒を「方言を話しました」などの札を首からかけ廊下に立たせたなどあったと聞く。
手話の方言はそういう中でひっそりと消えていったのだろう。

利益を確保しなくてはいけない企業が障害者を雇用するには、残念ながら今は雇用される側する側とも覚悟がいると思う。
する側は一時は無駄に思える支出があっても、それは先行投資でいずれ回収できるように。される側は、もし他にそういう人がいない状況での就職なら、多くの困難を突破して後に続く人たちを引っ張っていくこと。
現段階では障害者雇用に関してはまだ日本はそんな段階なのだと思う。
でもこの前の選挙で、重度の障害を持つ人が議員として当選した。いろいろお金が必要になることもあるだろうが、それを惜しんではいけない。
日本が一歩前に進むための大事な投資だから。

全体を流れるストーリーと一つ一つの話のバランスもとれていて、読んで良かった。




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