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2019年06月23日23:24

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岡田莊司編『日本神道史』

 岡田莊司編『日本神道史』(吉川弘文館、2010年)を読了。神道の信仰体系は古代以来の神社と祭祀に備わっており、神社の祭祀体系が整備されていく律令国家の形成期に神道は成立する。神道・神社が成立した淵源も、ヤマト王権が形成される過程と深い関係の中にあった。
 日本的な思考と乖離した律令制は、完全に定着するには至らず、奈良期の律令祭祀制は平安祭祀制へと展開し、中央と地方の分権が始まった。国家体制が縮小した中世以後、地方神祇の台頭など神祇信仰が多様化し、国家的な祭祀軸は失われ庶民信仰が登場した。神道信仰は混沌とした社会の変革期に他宗教・他思想と融合する中で成長し、神道の性格を更に顕然化させていった。
 近世には徳川幕府・藩が支援し、朝廷・神社の祭祀が再興され、近代には「復古」と「維新」の理念に基づいて成立した国家体制の下、神社は「国家の祭祀」として全ての事柄を法制度により規定されることになった。加えて神道非宗教論に基づき、明治祭祀制により徹底した合理化が推進され、神道は結果的に「非宗教」としての神社と「宗教」としての教派神道に分かれた。日本の占領政策を遂行したGHQは、神社と国家管理下から離れさせ、宗教法人としてのみ存続を許した。
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