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2019年04月20日09:50

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2018年版日本聖書協会共同訳「聖書」で旧約聖書続編「シラ書」「バルク書」「エレミヤの手紙」「ダニエル書補遺」「エズラ記」を読む


照る日曇る日第1242回

ペルシアのアケメネス王朝は、キュロス、ダレイオス、クセルクセスと続き、クセルクセス王は紀元前480年のサラミスの海戦でギリシア軍に大敗するが、この間なぜかユダヤに対しては好意的で、「バビロン捕囚」を解いて彼らをイスラエルに帰国させたのはキュロス王だった。

「エズラ記」を読むと、ゾロアスター教を奉じるこうしたペルシアの王様たちの、ユダヤ教とユダヤ人に対する好意が、縷々記述してあるのだが、紀元前5,6世紀のこの頃、歴史も宗派もまるで水と油のように異なる両者の間に、どうしてそのような友好的な関係が成立したのだろう。

おなじ「エステル記」に登場するユダヤ人の美姫エステルへの愛は、確かにクセルクセス王のハートを射止めただろうが、もしもアケメネス王朝の支配者のいずれかが、諸国の諸民族の間にちらばって異端の法を護持するユダヤたちを、ほんの気まぐれにでも滅ぼそうと思ったら、10ちゅう8.9そうなったであろう。

実際に信頼する大臣ハマンの甘言に乗ったクセルクセス王は、ユダヤ人殲滅と財産没収の法令に自らの指輪で印さえ押したのだから、エステルとその養父モルデカイの機転と勇気がなかったら、この時彼らは皆殺しにされていただろう。

ところがその後も世界の強大国の利害と思惑に翻弄されながら、放浪と苦難の遍歴を辿った弱小民族が、紀元前330年に滅亡したアケメネス朝ペルシを尻目に、21世紀の今日もしたたかに生き残って、むしろ多民族に強圧を加えているのは「奇跡」というよりも、歴史の神様の悪戯としか言えないだろう。

  人間は腹の底では何を考えているか分かったものじゃない君も私も 蝶人


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