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2017年03月21日21:37

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マルクス・シドニウス・ファルクス『ローマ貴族9つの習慣』

 マルクス・シドニウス・ファルクス『ローマ貴族9つの習慣』(ジェリー・トナー解説、北綾子訳、太田出版、2017年)を読了。自己啓発という概念は現代になってから生まれたものかも知れないが、その源流は古代の世界にあったと考えられる。主に哲学という名の下で世に送り出されていた古代の書物も、自己啓発を説いたものが多くある。
 その殆どは思索に耽る余裕のあった裕福な上流階級の人々によって書かれた。古典学者ジェリー・トナーは古代ローマ貴族のマルクス・シドニウス・ファルクスが現代人に向けて語るという体裁で本書を書いた。マルクスは元老院議員であって執政官も務めた。
 彼はローマ人のように地位と財産を得て成功を収め、栄光を手にする方法を披露する。紹介される古代ローマ貴族の生活習慣は、どの話も古代や後世の文献に基づく。それらが反映されたマルクスの言動は横柄かつ不遜で、時には差別的でもある。
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