ネーム・バリューの割に何故か日本語訳があんまり進んでない感あるエリスンの日本オリジナル傑作選。狭義のSFには収まりきらない作品も多いが、とになくどれもカッコいい。科学考証がどうとかはさておき、カッコいいSFを書く人、といえばゼラズニイ、ディレイニー、そしてエリスンなのだよなぁ。表題作なんぞは手垢のつきまくったグノーシス神話を自伝的要素まではめ込んでこうも洒脱に仕上げてみせる。そして何度再読しても読み飽きることなき傑作「おれには口がない、それでmおれは叫ぶ」―もうタイトルの時点でたまらない。猥褻、残酷、だが例えようもなく美しい地獄のありさま。
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