中谷美紀「メアリ・スチュアート」

1500年代のスコットランド女王、メアリスチュアート、エリザベスの従妹、カトリック。
イングランド女王、エリザベス1世、プロテスタント。
メアリはエリザベスの名のもとに処刑された。

（余談）
エリザベスの異母兄弟、メアリ1世（メアリスチュアートと血縁はない）はイングランド女王にしてカトリック、プロテスタント迫害の苛烈さから「ブラディメアリー」と異名をとり、カクテルの語源となる。

血縁関係、カトリックとプロテスタントの対立構図がまったく理解不能・・。

芝居は、史実では会ったこともないメアリスチュアートとエリザベス1世が、会っていたら、という設定である。
愛憎半ばする2人は、歴史に翻弄され恋愛に苦しみ、階級社会・男社会に、別のやり方で敢然と立ち向かった女性として、悲劇的に描かれる。
そして、一見自由になった現代女性（いや男女かかわらず）が、未だ社会のくびきに繋がれていることを、中谷美紀の美しく華奢な身体が訴える。
あなた方はほんとうに自由なのか、と。