mixiユーザー(id:4550802)

2015年05月21日23:02

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ソラリス/スタニスワフ・レム

 早川SF文庫新版。前の訳もこの訳の単行本版も既読…だがそれでもなお、冒頭から惹き込まれ、恐怖と緊張と戦慄のうちに読み通せてしまった。宇宙基地にヒタヒタと響く素足の足音、ひきこもった科学者の部屋から聞こえる子どもの声、といったホラー的な描写でまず惹き込まれ、そして主人公自身の前に現れる「お客さん」・・・最愛のもののイミテーション。そこで生理的な恐怖から情念的なジレンマへとシフトし、さらにそれが宇宙論、認識論、さらには一種の「神学」へとつながっていく・・・。読むものの脳細胞を全方位から責め立てるような、恐るべき小説。
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