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2015年01月02日23:53

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竜との舞踏1/ジョージ・R・R・マーティン

 「氷と炎の歌」シリーズ第5部、上巻。個人的にはもっとも完結が待たれるシリーズなのだけれど、まだまだ先が長そうなのが、嬉しさ半分悩ましさ半分。ただでさえ4部がそれまでよりスローペースだった上に、この第5部も、4部の続きというよりは時間軸的にはパラレルという牛歩ぶりなのが、なんとも。しかし、その面白さと密度は、まったく減じていない。寒さ、空腹、怪我の痛みが読んでる側にも伝わってくるような濃密な文体に載せて、情け容赦なく人が死んでいく(あるいは死を宣告される)展開も相変わらずだ。この巻では3匹のドラゴンを従える若きデナーリス女王のパート、そして「壁」の向こう側を放浪するブランの探索行がメインなだけあって、今までよりぐっと超自然の影が濃い。いわばベルセルクの第一部くらいのリアル/ファンタジーの比率で、非常に自分好みの空気になっている。同じく放浪する「小人」ティリオンのパートは、犯してしまった父親殺しをえんえん悩み続ける姿に、あらためて本作随一の「人間性」を皮肉にも見出してしまう。一番死んでほしくない人物だが、相変わらず周りは敵ばかり、この巻でも絶対絶命の死地続きという・・・。
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