mixiユーザー(id:60260068)

2013年12月09日00:23

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『灰』〜返詩で繋ぐ詩集より


太陽が轟轟と騒ぎたてるが
俺のそばで滝にのまれ消え去り
凍りついた耳には電子音が響いている

導線を潜ってくる体温は
入道雲のてっぺんから重力の罠にかかり
アスファルトで弾ける

モノトーンの光が俺の目を焦がす


寄りかかる黒髪が風になびいた頃
楠の木洩れ日はエチュードを奏でていた

眼下の大河にうつる明日は輝き
ゆるやかに流れ広がっていた

底の泥に潜む影は見えない


風は力なく枯れ葉をのせるだけ
見送る俺の肩は霞にとけていく


全力で月を追いかけた
真正面に輝く青い光は遥かとおく
いつしか俺は燃え尽きて
夜空に灰だけが立ちこめた

すべてが消える
赤も、青も



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