太陽が轟轟と騒ぎたてるが
俺のそばで滝にのまれ消え去り
凍りついた耳には電子音が響いている
導線を潜ってくる体温は
入道雲のてっぺんから重力の罠にかかり
アスファルトで弾ける
モノトーンの光が俺の目を焦がす
寄りかかる黒髪が風になびいた頃
楠の木洩れ日はエチュードを奏でていた
眼下の大河にうつる明日は輝き
ゆるやかに流れ広がっていた
底の泥に潜む影は見えない
風は力なく枯れ葉をのせるだけ
見送る俺の肩は霞にとけていく
全力で月を追いかけた
真正面に輝く青い光は遥かとおく
いつしか俺は燃え尽きて
夜空に灰だけが立ちこめた
すべてが消える
赤も、青も
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