月は地球に寄り添ってほおずりしたいのに近づき過ぎると地球を壊してしまうから遠くで行ったり来たり近づいて大きくなった月の顔は哀しい 「だめ、これ以上は。さよなら、また来るわ。」涙を隠して去る直前の月に地球の海は涙で溢れそうになる
続きを読む
お爺さんは年寄りくさいのが嫌いでホームでは友達がいないこのところ話す意味もなく食べるとき以外は口を開けない うつろな目で見る鏡に嫌いな年寄りくさい男が映っている 人間をあきらめようとした頃 うしろから聞き覚えのある歌が老人たちが腕を振りながら
冷たくからびた唇を大粒の雪があざ笑う木の橋はわずかな肌を残して凍っている頬のこけた素浪人が袖をはためかせ角張った肩を風に突き立てるとわらじは死に向かって確かに進みはじめた陽はうすく西に傾いている橋のたもとに潰れた蒲公英がけなげで脚を止めしば
ログインでお困りの方はこちら
mixiニュース一覧へ