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2008年10月30日14:06

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庄司紗矢香ヴァイオリン・リサイタル

今朝のNHK-BS2「クラシック倶楽部」で、庄司紗矢香のヴァイオリン・リサイタルを聴く。
2005年11月29日サントリーホールのライブ収録である。

プログラムは、ショスタコーヴィチのヴァイオリン・ソナタ ト長調op.134から1楽章アンダンテと3楽章ラルゴ。
シューマンのロマンス イ長調op.94-2。

以前サントリーホールの同日のリサイタルの放送を聴いている。
リヒャルト・ストラウスのソナタが入ったもので、それが後半のプログラムだったのだろう。だとすると、本当に凄いプログラムだ!
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=714759308&owner_id=3341406

ピアノはイタマール・ゴラン。
既に世界各国で何度もパートナーとしてやってきた相手で、これからも長く我々を楽しませてくれるだろう組み合わせである。

ショスタコーヴィチのヴァイオリン・ソナタは、1968年、彼が盟友ダヴィッド・オイストラフの60歳誕生日を記念して作ったもので、当人とスヴャトスラフ・リヒテルの組み合わせにより、モスクワ音楽院で初演されている。難曲として知られた曲だ。
黒々とした夜、行けども何処にも光はない、そんな雰囲気が漂う。
スターリンは既に1953年に死んでいるが、冷戦下、行き場のない世界状況が閉塞感を強めた時代。
ショスタコーヴィチ本人としては、60歳を越え、右手の麻痺や心臓病等で度々入院する等、粛清とは違う種類の”死”を身近に感じていた時代だったろう。
響き渡る凛としたピチカートは、殊更に孤独感を強める。
3楽章のフーガ的な展開の競い合いは、2人の間に霊気が迸るよう。

何故2楽章アレグレットを割愛してしまったのか、悔やまれてならない。
放送側からすれば時間の都合というかもしれないが、当日の「クラシック倶楽部」は、後半を、ライナー・ホーネックによるR・シュトラウス Vnソナタの演奏を当てており、これも1楽章と3楽章のみという中途半端。
株価やレートを問題にしているのではないこの手の番組で、こんなにぎゅうぎゅう詰のスケジュールを組む意味はなかろうに。

さて、庄司紗矢香のリサイタルは、既に来年1月11日、岡崎市シビックセンターでのチケットを購入した。年始早々、愉しみである。

プログラムは、東京サントリーホールのものと同じ。

シューベルト ソナチネ3番ト短調op.137-3 D.408
ブロッホ ソナタ1番
ドルマン 委嘱新作
ベートーヴェン ソナタ7番ホ短調op.30-2

ドルマンの依嘱新作はどんな曲だろうか。イスラエルの現代作曲家位しか知識がない。
エルネスト・ブロッホ(1880-1959/スイス〜米)もユダヤの作曲家だから、古典からロマンの萌芽期にウィーンで活躍したドイツ人2人の間に、新しいユダヤの2曲を挟んだ恰好とも言える。

そういえば、当日のピアノもイタマール・ゴランで、この息の合い方も、大きな愉しみの1つ。
ゴランもリトアニア生まれで、幼時にイスラエルに移住したユダヤ系。
今日のショスタコーヴィチもユダヤ人ではないものの、ユダヤ音楽からは多くのインスピレーションとモチーフを得た作曲家である。
ショスタコーヴィチへの敬愛と、ゴランとの人間的なつながりからも、庄司はユダヤ音楽への理解を深めているのかもしれない。
 
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